こんにちは、ちゃママです。
図書館で見つけた本、
小学校に入っても落ち着きがない、忘れ物や失くし物をする、勉強しないでゲームばかりなど、男の子あるあるが満載で「どうして男の子はそんな行動をしてしまうのか」が脳科学的に解説されています。
「自分の子育てが間違っていたのでは…」
「このままで大丈夫なのかな…」
世の中の大人の男性が、小さいころはみんな似たようなものだったと言われても、お母さんは不安です。
筆者である諏訪東京理科大学教授篠原菊紀先生は、
「男の子の脳を理解して鍛えれば、効率よくみるみる変わっていきますよ」
といいます。
6歳までに約90%が完成すると言われている脳。
6歳以降はどのように発達していくのでしょうか?
今日はほんの一部だけ本の内容を紹介しますが、具体的なやらかしへの対処法は本を参考にしてください。
目次
子どもの脳の発達
脳は年齢を重ねても成長します。
とくに、発達のピークをむかえる小学生の「前頭葉」は、まさに鍛え時なのだそうです。
人間の脳を、5歳から25歳くらいまでMRIで撮影してみると、3つの波があるといいます。
第一波は5歳まで。
顔の見わけや表情判断、語彙、好き嫌いやその記憶にかかわる脳部位が発達します。
第二波は小学生。
身体を動かす力が洗練され、考える力が発達します。
まず7歳くらいで、脳の頭頂部付近にある触覚や皮膚感覚などを受容する「体性感覚野」という部位が発達のピークに。
8歳までにはその周りにある「運動野」が完成し、体の各部分を上手にコントロールして動かせるようになってきます。
8歳半になると、頭頂部から後頭部にある、空間の位置関係を認識する「頭頂連合野」が完成します。
勉強だと、立体図形問題の基礎がわかるようになってくるのもこのころです。
9歳から11歳にかけて、知的活動の中核である「前頭前野」がぐんと厚みを増します。
(お母さんにとっては生意気なことや難くせをつけられるめんどくさい時期に入るw)
第三波は思春期。
「内臓から込み上げるような不愉快な感情」を抱くようになります。
まさに疾風怒濤の青春時代の心の揺れとそのコントロールにかかわる部位が発達するのだそうです。
やる気スイッチの正体と入れ方
やる気には脳の奥にある「線条体」という部位が関係しています。
主な働きは、運動の開始や微細な調整。
そして、この線条体の下側に、快感にかかわる部位があります。
(「腹側線条体」「側坐核」と呼ばれる)
ここに働く神経伝達物質・ドーパミンの量が、「快」の大きさをおおむね決定しています。
つまり、「運動や行動」と「快感」が、この線条体で結びついているのです。
たとえば、縄跳びで二重跳びの練習をしているとき。
失敗つづきの中、たまたまうまく跳べると、そのときの動作や手順には「いい感じ」という快感のタグが貼られます。
これが繰り返されると、跳ぼうと思っただけで線条体が活性化します。
これが、「やる気」です。
そして、この「いい感じ」を頼りに、無意識に保存されている”うまく跳べたときの動作や手順”が呼び起こされます。
「こうするといい感じになる」という直感こそが、やる気の正体なのです。
子どもに快感のタグを貼り付けるシンプルで最強のもの、それが「褒める」ことです。
ちょっとしたことでも、望ましいことをしたら、褒めて、褒めて、褒めまくる。
褒めることで、脳の中では線条体が動き出し、ドーパミンが分泌されます。
ドーパミンは、脳機能を活性化させて「いい感じ」という快感を作り出し、意欲的な活動につなげてくれる脳内伝達物質。いわば「やる気スイッチ」。
しかも、繰り返し条件付けしていくことで、望ましいことをしようかな、と思うだけでスイッチが入るようになるそうです。
ただ、なんでもかんでも褒めていると慣れてしまうので、50~70%くらいに間引いて褒めるのが効果的だという実験結果があるとか。
一方、叱るときは、小さく何度も叱れば累積し、一回ガツン!と叱るよりも大打撃を与えてしまいます。
つまり、叱るときはがつんと叱って、小さく何度も褒める。
「努力した行動を褒める」ことで、失敗を恐れず、さらに努力するようになるという話は、もう有名ですよね。
外遊びの重要性
小学校低学年は、体を動かす部位の脳が発達する時期なので、しっかり走り回らせてあげることが大切だそうです。
走っていて急に止まるのは難しいし、転ばないためのバランス感覚も大切です。
自分の身体をコントロールする体験は、行動へとつながる感情を抑制する力も養うといいます。
特に小学3年生くらいからは、いわゆる「ギャングエイジ」と呼ばれる時期に入ります。
この時期の男の子の脳内では、大脳新皮質、特に知的活動の中枢、前頭前野の成長がほぼ完成を迎えます。
友達同士で徒党を組んで遊べるようになるということは、前頭葉が発達し「他の子とコミュニケーションが取れるようになってきた」ということなのです。
といっても、コミュニケーションに関する子どもたちの脳は、まだまだ発展途上で、自分をモニターしたり、人の気持ちや周りの空気をモニターしたり、その矛盾を調整したりすることにかかわる脳の「内側前頭前野皮質」や「帯状皮質」という部分は、発達のピークが思春期以降。
これからさらにコミュニケーション能力を深めるための機会を得ているので、ときどきアドバイスする程度で見守るのがいいそうです。
長年行われてきた脳科学の研究から、外遊びを長い時間経験した人ほど、生きる力が強いことがわかっています。
外で遊んだらまず褒める、おやつなどのご褒美を用意するなども効果的なのだそうです。
ちゃママ感想
小学生時代は、ワーキングメモリの力がぐんと伸びる時期。
ワーキングメモリがある前頭葉は、知性をつかさどる部位。
感情をコントロールする力にも大きく影響します。
この本は、忘れ物、片づけ、お出かけ、夏休み、失くし物、身だしなみなど、脳科学的にどうしてやらかすのか、その対処法も教えてくれます。
また上記のやらかしや、家庭学習、授業参観でのやらかし、ゲーム、外遊び、下ネタでのやらかしが短いマンガで紹介されていて、楽しく読めました。
どのやらかしに対しても、ほとんどは「褒めちぎる」ですが(笑)、「我慢する力」を育むこと、「やる気」をコントロールすること、ゲームとの付き合い方など参考になりました。
脳の発達段階を理解すれば、いまはそれぞれの脳の部位が発達のピークを迎える時期だから、「男脳のせいだ」「男の子ってこうなんだ」と思うことができて、子育てが楽になるかもしれませんよ。
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