こんにちは、ちゃママです。
2019年5月15日放送のNHK「あさイチ」を見ました。
9時台の企画は「学校教育のお金」についてでした。
日本国憲法の第二十六条には、「義務教育はこれを無償とする」と書かれています。
ところが実際には、計算ドリルなどの副教材、修学旅行や給食の費用など、保護者の負担は小学校6年間で60万円、中学校3年間で50万円あまり。
合わせて100万円を超える計算になり、意外とかかるのです。
(文部科学省 子供の学習費調査より計算)
目次
事務職員が見直して負担を軽減
そんな中、独自の取り組みで保護者の負担を減らすことに成功した学校もあります。
埼玉県川口市、小谷場中学校。
学校の予算を管理する事務職員の柳澤靖明さん。
この学校の年間の予算はおよそ600万円。
そのうちの9割が校舎などの修繕費や備品などの購入に充てられています。
教材もできるだけ予算で購入しますが、足りない分は保護者の負担になります。
柳澤さんが赴任したとき、教材費の負担は1人当たり年間2万8000円にのぼっていました。
そこで始めたのがモニターを使った授業。
一人1冊ずつ買っていた社会科の資料集の内容をモニターに映すことで、全員分の購入が不要になりました。
柳澤さん
「そこまで毎週のように(資料集を)使っているのではないので、資料集を買わせるのではなくスライドに映す」
これだけで1人2,100円の教材費を削減しました。
さらに、授業で使うすべての物について、全教科の先生と見直しを進めています。
この日話題になったのは、クラス全員に購入を求めていた数学のノートについてです。
数学教師
「ノートは使い勝手が悪いという話が出ている。」
柳澤さん
「使い勝手が悪いというのはA4のノートが?」
数学教師
「そうですね」
柳澤さん
「保護者負担になっているA4ノートをB5にすれば学校で用意することができる。たかが108円かもしれないけど、されど108円の保護者負担金が軽減される。」
柳澤さんは、ひと回り小さいサイズだと値段が安くなるため学校で購入できると提案しました。
数学教師
「教材費で保護者の私費(負担)を減らすという考えがなかったので、柳澤さんにその話を聞いて気をつけていかなきゃいけないと思った。努力していこうという意識が高まってきているのでいい取り組みだと思っている。」
見直したのは授業で使うものだけではありません。
教室のカーテンのクリーニング代も保護者に負担を求めていました。
生徒と職員が協力して学校で洗うことで、一人当たりおよそ200円削減できました。
こうした積み重ねで年間の保護者の負担はおよそ1万円減り、1万7,000円あまりになりました。
柳澤さん
「公教育としては無償が理想だと思うが、なるべく減らしていく。保護者の負担に頼らずに学校を運営していくことが必要。」
柳澤さんは保護者の負担を減らしていくためには、保護者自身に関心を持ってもらうことが大切だと考えています。
新たに入学する生徒の保護者には、お金の使い道を細かく伝えています。
柳澤さん
「言われたからその金額を払うということではなく、言われた金額の根拠というか何にそれを使うのかというのをまず知って欲しい。
それを見て疑問があったら遠慮なく事務職員や担任の先生に聞いてみることからキャッチボールが始まると感じている。」
保護者が見直して負担を軽減
それでは、学校内で見直しが行われなかった場合はどうしたらいいのでしょうか?
NHK記者大窪さん
「お金を見直すにあたって保護者ができることはたくさんある。
保護者が負担したお金がどのように使われているのかしっかりチェックして、きちんと使われているかどうかを見て提言していくことが大切。
実は、保護者が負担しているお金は地域や学校ごとにバラつきがある。
当たり前に払っているお金だが、保護者負担が大きい学校と小さい学校で比べると、同じ公立の小中学校でも年間で1万円以上の開きがあるところもある。
自分が払っている保護者負担が大きいのか小さいのかを確認するためには、学校から配られるお手紙(「学校納付金(教材費)のお知らせ」など)を見る。
まずチェックするのは、自分の学校がどれくらい払っているのか。
そして他校に通うママ友などと情報共有をして比較してほしい。
さらに、何に使われているのかという項目もチェックする。
例えば『書写用紙を負担しているけれど、他の学校では学校が負担している』となると、学校の事務職員や担任の先生などに提言したり、PTAの議題などに挙げてもいい。
低学年の子どもであれば、宿題を見るときに合わせて資料集やワークブックを開いてみて使われているかチェックしたり、子どもにどんな風に使っているのか聞いてみるのも一つの方法だと思う。」
市の取り組みで負担を軽減
NHK記者大窪さん
「その他にも学校の当たり前を見直す取り組みがある。
福岡県古賀市では、保護者の負担を地域をあげて減らそうという取り組みが進んでいる。
そのキーワードとなるのが『みんなで使う』。
新入学の時期に一番の出費になるのは制服。
古賀市では教育委員会が卒業生から制服を譲ってもらい、希望者に無料で提供する仕組みを作っている。
教育委員会の廊下には常時100着以上の制服が並べられていて、サイズさえ合えば保護者が無料で譲り受けることができる。
その他にも短い期間しか使わない教材、例えば低学年の『さんすうセット』も市が一括して購入して授業で必要なときに貸し出す仕組みを作った。
『さんすうセット』を一人1つずつ買うとおよそ3,000円。
それだけでも保護者の負担が減った。
中学生の男の子は成長期なので、入学のときだけではなくサイズアウトになったときでも無料でもらえるため、買い替える必要がなくなったと非常に喜ばれているということだった。」
ちゃママ感想
資料集ではなくモニターに映す。
さんすうセットは市で一括購入する。
「買う(所有)」から「借りる」「譲る」「共有する」という時代になっている今、デジタルにしたり貸し出したりすることはメリットだらけな気がします。
さんすうセットにはおはじき一つ一つにまで名前シールを貼ったけど、3年生の今はまさに処分するものの1つなんですよね。。
たしかにさんすうセットの費用対効果はあったでしょう。
でもね、学校で「寄付してください」と呼びかけたら、ほとんどの保護者が寄付する気がします。
まだまだきれいだし、来年度入学する1年生に使ってもらえたらいいのになぁと思います。
※そもそも教科書や資料集はタブレットにするとか、さんすうセットはアプリに置き替えるなどすれば、紙は最低限にできる気がしますよね…ランドセルも軽くなるし。
そして「学校納付金(教材費)のお知らせ」。
受け取っても「かかるものはかかる」と思っていたので、なんとなくしか見ていませんでした(^-^;
もちろん他の地域のママ友と見比べてみるという発想も全くありませんでした。
学校が保護者負担を意識してくれると非常にありがたいけれど、保護者が意識して提言していくことも大切ですね。
たかが108円。されど108円。
塵も積もれば山となる。
うーん、家計の見直しと一緒だっ(+_+;
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