こんにちは、ちゃママです。
すくすく子育てなどでおなじみの、汐見稔幸さんの本を読みました。
学力を伸ばす家庭のルール: 賢い子どもの親が習慣にしていること
- 汐見 稔幸
- 小学館
- 価格¥55(2025/04/05 21:18時点)
- 発売日2006/04/01
- 商品ランキング787,862位
2006年に出版されているので、情報的には新しいものではない?と思っていました。
ところがタイトルの通り、親が家庭で子どもにやるべきことはもちろん、
- 学校の先生に不安があるときの対処法
- 中学受験の前後に知っておくべきこと
- 思春期について
- 東大卒はブランドなのか
- なんのために生きるのか
という話まで書かれていて、非常に深い内容でした。
気になったところを少しだけ紹介します。
目次 [閉]
家庭で学力を伸ばすのに大切なこと
学力を伸ばすには、「頭の働きを活性化する力」と「知識を身につける力」が必要なのだそうです。
そして、考える力を育てるには、いつも子どもが主役なんだ、子ども自身が好きで選んでやっているんだ、というところをできるだけ保証してやることが原則。
親が命令する、指示する会話をできるだけ減らして、子どもの言葉をできるだけ聞く。
- 親子の会話が一番大事。
- 家庭の中に本の環境をつくる。
- 本物の体験をたくさんさせて、興味を持ったことには没頭させてあげる。
そういうことを、ていねいにやりながら、家庭の中にある種の知的雰囲気をつくっていくのがいいそうです。
体験が少ないと学力が伸びない
カラダが先に動いて、つくってみようとか、試してみようとか、持ち上げてみようとかいう広く言えば知的な準備がひとりでにできるようになっていると、その延長で、学校でも「これどうしてなんだろうね」とか「結果どうなるか予想してみよう」というようなことが先生から出たときに「やってみよう」となって、まずカラダが動く。
「なぜ?」と思ったら自分でやってみる。それが知的体力です。
カラダに蓄えられた「確かめてみたい」「触ってみたい」などというカラダのワザが蓄えられていないと知的探究心が育まれていきません。
読書をたくさんすれば知的になるかといえば、そんな単純ではなくて、本に書かれている中身がリアルにわかる、共感する、場合によっては反発するためには、それとかかわるような体験をいっぱいして、カラダに記憶させておくことが必要です。
それとともに、本の内容を自分に引き寄せて反すうするということも必要です。
そういうことがないと、読書によって精神が活性化し、どんどん知的になるということは期待できないのだそうです。
「東大卒」はブランドなのか
大学受験テクニックというのも、ある程度は独特の訓練です。
東大の学生たちは、基本的な理解力と、要領よく記憶する訓練と、もうひとつ独特の問題の解き方のパターンを理解して問題をたくさん解く、という訓練をしていわば勝ち残った学生たちです。
東大生が社会人になったときに、みな優秀であるとは限らないということははっきりしています。
中高生のころ、がむしゃらに受験問題を解く練習をしていくというようなことはしなかったけれども、部活を一生懸命やったとか、ボランティア活動をやってみたとか、いろいろな問題に関心をもってサークル活動をやったりして、青春を一生懸命生きていた。
受験勉強に100%力を注いだわけじゃない、だから大学としてはいわゆる東大ブランドのような大学に行かなかったけれども、自分で考えてやってきた。
そんな若者が社会人になったときに、東大からきた若者よりもいい仕事をする、というようなこともよくあるわけです。
もちろん、解答パターンを覚えるときも、こういうふうになっているからこれが出てくるわけだから、この場合は使ってもよい、というように相対化できる力を持っている人は、いわばパターンを使いこなしているわけですから、一段高い認識の訓練をしていることになります。
そういう訓練をし続けた人は、社会人になっても伸びると思います。
そういう優秀な人も、もちろん東大にはいると思います。ですが、全員がそうだとは言えません。
現代は大学院まで教育が伸びている時代ですから、本当に自分の仕事に直結できるような能力や知識を身につけようとしたら、大学院まで行く時代になるでしょう。
大学院だと、専門性を持った先生がさまざまな大学に分散しています。
こういうことについては、〇〇大学の〇〇先生について勉強したいとか、こういうことはなんとか講座がいいんだとか、定評として、かなりあります。
最先端のことをやるために、東大まで来る必要はない。
大学院の時代なんだと思えば、何でも東大ブランドをと思わなくていい。仮に、大学院で東大が優れている分野があっても、学部で東大に入らないで、それぞれの大学で一生懸命勉強して、大学院で東大に行ってみよう、ということだっていいわけです。そういう人もたくさんいます。
あまり小さいときから無理して東大ブランドを目指さないほうが、あと伸びしていくというか、社会に出て伸びていく力を養いやすい時代になってきているかな、と思いますね。
ちゃママ感想
タイトルに「学力を伸ばす」と書いていますが、中学受験のためのコツや学力を伸ばす方法は書かれていません。
むしろ弊害が書かれていて、受けるのならば親がしっかりとした考えや信念を持つことが必要だと警告したうえで、塾の選び方や親の接し方が書かれています。
子どもが小学校低学年以下で、わたしのように“あと伸びする子”を育てたい、中学受験の予定がない地方在住の親には、一読の価値があると思います。
また、学校の先生のあたりはずれの話や先生に不安を感じたときの伝え方を書いている本は初めて読んだので、勉強になりました。
そして、最後のほうの「本当のエリートとは」という話は、いつか息子に伝えたい話だと思いました。
どうしたら子どもの学力を深いところから伸ばせるか、どういう学力こそ育てるべきなのか。
なんのためにがんばるのか、なんのために生きるのか。
学力を伸ばす家庭のルール: 賢い子どもの親が習慣にしていること
- 汐見 稔幸
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