【レポ】地球ドラマチック「4歳児のヒミツ~驚きがいっぱい~」

こんにちは、ちゃママです。

2017年6月24日(土)放送の、地球ドラマチック「4歳児のヒミツ~驚きがいっぱい~」を観ました。

実はこの番組、何度も再放送されています。

専門家の2人の分析や解説を中心に、番組の一部をレポします。

番組の内容(NHKのHPより)

目立ちたがり屋にしっかり者、世話好きな子。
個性豊かな4歳の子どもたちが実際どんなやり取りをしているのか、保育園で定点観測。そのリアルな姿をとらえる。
人が自己と他者を区別し始める年齢、4歳。
他人と分け合うという行為を学ぶことで、子どもたちは友情を築いていく。
発達心理学者ら専門家とともに4歳児同士の友だち作りを観察しながら、人がどのように社会的ネットワークを築くのかを探る。
(2015年イギリス)再放送

<専門家>
教育神経科学者ポール・ハワードジョーンズさん
発達心理学者 サム・ウォスさん

ポールさん
「わたしたち大人は常識や慣習などさまざまなルールにのっとって人と交流します。4歳はそれに気づき始めるころなのです」

目次

わんぱくな子

ハイムがおもちゃを集め始めました。

ハイム
「これいるんだ」

アニア
「ダメ!返して!」

ハイム
いるの!

アニア
「ハイムがわたしのお人形をとった!」

先生
「ハイムが勝手に取ったの?」

アニア
「うん」

ハイム
「人が二人いるんだけど、でも一人足りなくて」

先生
「それで、どうやって持ってきたの?勝手に取ったんじゃない?」

ハイム
「(首を横にふる)」

先生
「アニアが遊んでいたのよ、貸してって頼んだ?」

ハイム
「頼んだ」

先生
「本当に?」

ハイム
「うん」

ポールさん
「この年齢では、乱暴な振る舞いはごく自然なことです。男の子にとっては、それが社会の中での序列を決める決定的な要因にもなります。私たち霊長類の特徴です」

正義感が強い子

ハイムがクリスチャンやルークと追いかけっこを始めました。

転んだルークに、

ハイム
「気をつけろよな!」

そして、イスに座ったルークを力づくでどかそうとします。

ハイム
「ぼくの席だぞ!」

ルーク
「やめてよ」

クリスチャン
友達に乱暴するな

ハイム
「僕が先に座ってた」

クリスチャン
「関係ないよ、一度立ったんだから」

そしてついには強引にイスを取り上げるハイム。

クリスチャン
「先生に言いつけてやる。先生に言うからな!行こう!」

ルークとクリスチャンは行ってしまいました。

グループで団結

園庭では、ハイムとクリスチャンが2つしかないボードで遊んでいます。

ルーク
「ハイム、次ぼくに貸してくれる?」

ハイム
「ぼくがいま遊んでるだぞ。さっき始めたばっかりだし。なんで人が遊び始めたばっかりだと貸してくれって聞くんだよ。いつもだよね?人が使ってたらさ。ほかので遊べばいいだろ」

ルーク
「ずっと使うの?」

ハイム
「ああ」

ポールさん
「ハイムは物を独占したいという気持ちを抑えられません。でも人と何かを分け合うことは大切です。公平であるとともにそこから友情が芽生えていくからです。
ハイムを除いた小さなグループができています。子どもたちがグループを作って団結し、ハイムに立ち向かおうとしているのです」

ハイム
「あいつズルした」

アニア
「ヨーイドンって言ってないもん。ヨーイドン!」

ルーク
「クリスチャンの勝ち!」

ハイム
「クリスチャンの負け!」(ルークを押す)

ルーク
「先生に言うもん」

目立ちたがりの子

女の子たちが遊んでいる水槽にハイムがやってきました。

女の子が遊んでいた道具を横取りしようとするハイム。

ハイムはあきらめて立ち去ります。

スカイラ
「あいつ、いじめっ子でしょ?意地悪されたら噛みついて」

女の子
「わかった。でも面倒なことにならない?」

スカイラ
「ううん」

女の子
「きっと怒られるよ」

スカイラ
「でもパパがそうしろって。だから、、私は噛みつく」

ポールさん
「スカイラは自分がいつも注目の的だと信じています。スカイラは注目を浴びていない状況にうまく対処できません。スカイラはとても興味深い性格です。
他の子と一緒にいるときはそれほど社交的ではありません。他の子の縄張りには足を踏み入れたくないようです。
大人がいると他の子よりも大人のそばへ行こうとします」

おませな女の子

ジェシカはスカイラと友達になろうと「一緒に遊ばない?」と声をかけました。

スカイラ
「ヤダ」

ジェシカ
「ねぇお願い、一緒に遊ぼう?」

2時間スカイラを追いかけ回して、ついにジェシカはあきらめました。

ジェシカはごっこ遊びが大好きです。

電話のおもちゃでは別れ話をしています。

ジェシカ
「リチャード、頼むからもう電話して来ないで。いい?もうあなたを愛してない。にくんでいるの。じゃあまたね」


保育園での初日は終わりました。

初めて会った子どもたちは、ときにぶつかりながら友情を育みました。

子どもたちが次に会うのは半年後。

ハイム、クリスチャン、ジェシカ、スカイラはどう成長しているでしょうか。

~半年後~

子どもたちが保育園に戻ってきました。

今回は新しい仲間も加わります。

サム
「大人と違って子どもにとって半年は、とても長い時間です。半年のあいだに子どもたちは大きく成長しました。言語能力だけでなく、周りの人と意思の疎通をはかるための能力も向上しています」


ジェシカとスカイラも半年ぶりの再会です。

相変わらずジェシカがスカイラを遊びに誘っても、断られてしまします。

リーダー誕生

半年前、ハイムは他の子となかなか仲良くなれませんでした。

この日ハイムは自分で遊びを考え出しました。

クリスチャンを誘いに行きます。

ハイム
「いいもの見せようか?来いよ」

クリスチャン
「うん」

ハイム
「ボクシングだ」

クリスチャン
「なんでそんなことするの?」

サムさん
「ハイムがクリスチャンを誘いますが、うまくいきません。遊びのスタイルが違うからです。
ハイムが楽しんでいるのはルールのない遊びです。でもクリスチャンは厳格なルールを好み、物を組み立てるのが好きです。
まさに正反対なのです」

クリスチャンが警察署の建設を監督しています。

男の子
「ドアはどこ?」

クリスチャン
「ドアはここ、この角のところ」

サムさん
「クリスチャンが他の男の子たちを支配しています。さりげなく他のメンバーを統制してリーダーの地位につきました。おどろいたことに、ほかの子はそれを受け入れています」

クリスチャン
「みんなもっと積み木を集めてくれ」

男の子
「ねぇこれは?」

クリスチャン
「小さすぎる」

男の子
「屋根を置こうか?」

クリスチャン
「まだ!先に積み木を全部並べなきゃ」

最後の仕上げをして完成です。

気まぐれな子

キューバ
「いま暖炉を作っているんだ。ほら、君のよりいいよ。君のはゴミだ」

クリスチャン
人の物をゴミなんて言うのは良くないよ。いけないことだ」

キューバ
「そっか、、どっちもいいよね、ぼくのも、君のも」

ポールさん
「キューバは不思議な子ですね。ルールというものをよく理解していて、時には他の子を取り締まります。
ところが、平気でルールをやぶることもあるのです。それも、なんのためらいも見せずに。
まだルールについてよくわかっていないのか、あるいはちょっとずる賢くてルールを作ることも破ることもできるタイプなのかもしれません。
だとしたら、相当ませています」

譲り合うとは

外の遊び場に新しいおもちゃが2つありました。

スカイラとジェシカが遊んでいます。

クリスチャン
「貸してくれる?」

ジェシカ
「ダメ、あたしのあとならいいけど、いいって言うまでダメ」

ハイム
「ぼくにも貸して」

ジェシカ
「まだダメ」

スカイラたちはもう9分も乗っています。

ルーク
「ねぇ代わってよ」

スカイラ
「ダメー、あたしの番だもん」

ルーク
「先生、スカイラたちが代わってくれないんだ」

先生
「頼んでも貸してくれないの?」

ここでキューバが出てきました。

キューバ
「おまえなんかチビねずみだ。紫のトイレのね」

とスカイラに言い、強引に奪い取ってキックボードを放り投げます

スカイラ
「返して」

キューバ
「ふん!」

スカイラ
「あんたなんか緑のトイレのくせに!覚えてなさい!うちの猫に顔をひっかかせてやるから」

キューバがスカイラの顔を叩いてしまいます

スカイラ「先生に言うから」

ポールさん
「キューバはスカイラがずっと独り占めしているのを見ていました。そこで、自分が出て行って取り締まることにしたのです」

ジェシカ
「キューバがスカイラの顔を叩いたの」

先生
「ホント?」

キューバ
「2人がいじわるしてたから」

先生
「他の人にも貸さないとね」

ジェシカ
「この子に貸す」

先生
「男の子たちもずっと待ってたでしょ?スカイラは誰に貸す?」

ポールさん
「いざこざがエスカレートしてキューバがスカイラを叩いてしまいました。叩くのは悪いことです。
でも、この決死の行動によって、スカイラはキューバに一目を置くようになったようです」

スカイラ「次はキューバに貸す」

キューバ「わかった」

ポールさん
「意外にもスカイラはキューバに譲りました」

しっかり者

女の子たちが先生の前で歌っていますが、そこにスカイラはいません。

先生
「ジェシカの声がもう少し聞こえたらいいなー」

ジェイダ
「(ジェシカにひそひそ声で)私が大きな声で歌ってみるから見てて」

歌うジェイダ。

ジェイダ
「次はジェシカの番、やってみて、大きな声で」

ジェシカ
「無理よー」

ジェイダ
「恥ずかしがらないで」

ポールさん
「ジェイダはこの年齢では珍しく、人にものを教えるコツをよくわかっています。
ジェイダはジェシカに自信がないこと、そして、練習をする必要があることに気づいたのでしょう。
そこで、ジェシカの手を優しく握って励ましながら教えることにしたのです。驚きましたね」

ジェイダ
「一緒に歌ってあげる」

ジェシカ
「うん、でも歌詞を覚えてないの」

ジェイダ
「もう一回歌ってみよう」

ジェシカ
「忘れちゃった」

ジェイダ
「大丈夫、一緒に歌うから私の真似をして、ね?」

先生
「じゃあ歌いましょう!1、2の3」

一緒に歌う2人。

先生「すごい!上手ね!」

ポールさん
「女の子たちの間に三角関係が生まれています。
今日ジェシカはジェイダと遊んでいてスカイラは入り込めません。ジェイダもスカイラも支配的な性格なので、ジェシカは2人の間で揺れています」

ジェシカ
「見て!きれいなドレスがある」

ジェイダ
「貸して、プリンセスになるの」

ジェシカ
「後ろのリボン、結んであげる」

スカイラ
「それあんまりかわいくない。プリンセスって嫌い」

仲間はずれ

ジェイダ
「おうちに帰ろう!」

ジェシカ
「ジェイダが母親でスカイラが赤ちゃんになるのは?」

ジェイダ
「いいよ」

スカイラ
「やだー」

ジェシカ
「じゃあどうしたい?」

スカイラ
「ジェシカが赤ちゃんになればいいでしょ?」

女の子たちが20分ほどままごと遊びをしています。

先生
「スカイラも一緒なの?」

ジェシカ
「ううん、スカイラは入ってない

ジェイダ
「赤ちゃんはイヤなんだって」

ポールさん
「スカイラが初めてグループの片隅に追いやられました。ジェシカとジェイダはスカイラを排除することでさらにを強めています」

ままごとの邪魔をするスカイラ。

ジェシカ
「スカイラ、先生に言うよ!」

スカイラ
「ヒヒヒ」

ジェシカ
「別のところに持って行かなきゃ」

スカイラ
「もう、いちいち気にしすぎ~」

ジェシカ
「ついてこないでったら」

ジェイダ
「スカイラこっち来て!」

スカイラ
「やーだー」

ジェシカ
「あっちに行ってって言ったでしょ?ダメ!やめて!」

スカイラ
「えい!」

容器にためていた水がジェイダにかかる。

ジェイダ
「目に入った!」

スカイラ
「どうかした?」

ジェイダ
「あなたが水を蹴ったから目に入ったの!あっち行って!」

誘惑に負ける?

おやつのチョコレートケーキが置いてあります。先生からの指示は何もなく、教室には子どもたちだけです。

チョコレートケーキを手にとるハイム。

ルーク
「やめなよ」

ハイム
「なに?」

と、食べ始めるハイム。

ルーク
「ダメだよ」

ハイム
「うまい」

ルーク
「先生にバレるよ、ほっぺにチョコがついてるもん」

キューバ
「きっと叱られる」

いまのところ、誘惑に負けたのはハイムだけです。

ハイム
「ほら、食べろよ」

ルーク
「いらない、やだよ。ぼくは食べない、お腹すいてないし」

サムさん
悪い行いは知性の表れです。いかにルールを曲げられるかを考え、ルールとはどんなものかを見極めようとしているんです。また、みんなが怖がることをして、勇気を示しているとも言えます」

ハイム
「食べようよ」

クリスチャン
「うん」

クリスチャンも手にとり食べようとします。

ルーク
「そのケーキ食べていいって言われてないよ。ダメって言ったろう。クリスチャンのことは責めないよ。君はちょっと食べただけだろ?」

クリスチャン
「持ち上げただけだ」

ルーク
「じゃあ君はいいよ。ハイムはダメ

先生
「誰か、あそこにあったケーキ食べた?」

ハイム
「食べた」

先生
「食べたの?」

ルーク
「ぼくは食べてない」

先生
「食べなかったのね」

ルーク
「クリスチャンは周りのチョコを舐めただけ」

先生
「クリスチャン、あなたも?」

クリスチャン
「ううん、ぼくはチョコが手についただけ」

先生
「手についたの?口の中には入れなかった?」

クリスチャン
「入れた」

先生
「入れたのね」

クリスチャン
「手についたチョコを取ろうとしたんだ」

先生
「ケーキは後で食べるつもりだったの。いま食べちゃったら後で食べられないでしょ?」

ルーク
「ぼくはダメって注意したよ」

先生
「そうなの?じゃあどうすればいいと思う?後でみんなで食べるとき、いま食べちゃった人はどうする?」

ルーク
「ハイムは食べられないよ、だってもう食べちゃったもん」

チームワーク

先生
「これからあることに挑戦します。みんなにおうちを建ててもらいます。隠れ家を作ってみましょう」

隠れ家作りは、子どもたちのチームワークとコミュニケーション能力を試す課題です。

2つのチームで競争します。

片方はおとなしい子ばかりのチーム。もう片方のチームは活発な子ばかりのチーム。

先生
「材料を集めて始めましょう!」

ポールさん
4歳の子どもにとってチーム作業は非常に難しい課題です。チーム作業では、アイディアを出す以外に、みんなで話し合い、妥協点を見つけて行く必要があります」

おとなしい子たちのチームは、順調な滑り出しです。

一方、活発な子たちのチームでは、クリスチャンがチームをまとめようとしていますが、それぞれが我が道を行きます。

スカイラ
「めちゃくちゃにしないでよ」

クリスチャン
「だから協力しないと無理だって」

ポールさん
「活発な子だけ集めてもチームの力を最大限に発揮することはできません。他のメンバーをすぐに引き入れ、まとめられるような子が必要です」

クリスチャン
「ハイム、やめろ!動かすなよ、ハサミで切ろうとしてるんだから」

スカイラ
「それちょうだい、ハサミない?」

ハイム
「痛い!ケガするよ」

メンバーはうまく協力できず、飽きて隠れ家作りをやめてしまいました

一方、おとなしい子たちのチームは、最後の仕上げをしています。

先生
「みんないいかな?どっちのチームの隠れ家が勝ったか発表しますよ。勝ったのは…こっちのチーム(おとなしい子たち)」

サムさん
「活発な子たちは普段注目されることに慣れています。ところが突然おとなしい子たちにスポットライトが当たりました。これは受け入れがたい状況です」

先生
「負けちゃったね、どんな気持ち?」

クリスチャン
「悲しい」

やり抜く力

隠れ家作りは終わり、ほとんどの子が遊びに戻りました。

クリスチャン
「ハイム、一緒に隠れ家を完成させない?」

サムさん
「クリスチャンはこの逆境に対して興味深い反応を示しました。諦めて他のことに関心を移すのではなく、もっとがんばりはじめたのです」

クリスチャン
「手伝ってもらえないから大変」

サムさん
「現在、心理学の分野で研究が進んでいる“最後までやり抜く力”をクリスチャンは備えているようです」

クリスチャン
「うん、完璧だ」

分け合うとは

保育園最終日。

子どもたちがお別れのプレゼントを開けています。

スカイラの包みには特別なおまけが入っていました。

先生
「スカイラは何をもらったの?」

スカイラ
「チョコレートとこれ…」

先生
「チョコをもらったの?」

女の子
「チョコ、分けてくれる?

先生
「どうする?スカイラ」

スカイラ
「自分で食べちゃう。溶ける前に」

女の子
「ダメ!みんなで分け合わなきゃ

スカイラ
「でもみんなにあげるほどないと思う」

先生
「ほんとに?みんなで何人いる?」

女の子
「1、2、3、4、5人」

先生
「チョコの数は?」

女の子
「1、2、3、4、5個」

みんな
「やったー!!」

女の子
「1人一個ずつね」

先生
「どうする?スカイラ」

スカイラ
分けなきゃダメ?

先生
「ちょうど5人いるのよ?」

スカイラ
「でも…」

先生
「でもなに?」

スカイラ
「わたしのだし」

女の子
「みんなに分けて。でないと、スカイラには何もあげない。自分のものを分けない人には、私たちのものも分けない

先生
「どう思う?スカイラ」

ポールさん
「スカイラは葛藤しています。本心では自分で全部食べたいけど、周りの友達からは“分けて”とせがまれる。
チョコを分けたくなくて、緊張が顔に表れています」

先生
「スカイラ、そこに座ってよく考えてどうするか決めなさい」

スカイラ
「勝手に取らないでね」

ジェイダ
「ひとつちょうだい」

女の子
「一個だけ」

スカイラ
「じゃあ一個あげる。あなたにも一個」

ジェシカ
「わたしたちはこれだけなのに、スカイラだけチョコが入ってるなんて不公平だよ」

ハイム
「僕にもちょうだい」(無理やり取って外に行く)

スカイラ
「いやだ!返してよ!」(泣)

女の子
「ちょっと!返しなさいよ」(外に言いに行く)

先生
「あらあら、どうしたの?」

スカイラ
「ハイムがわたしのチョコ取った」

女の子
「ハイムがスカイラのチョコを食べたの。くださいって頼まなかった」

先生
「ハイム?あなた本当にそんなことしたの?」

ポールさん
「スカイラはこのときチョコを失いましたが、ためらいながらも分け合おうとしたことは報われました。
頼りになる小さな社会的ネットワークを手に入れたからです」

ジェイダ
「心配しないで、みんなあなたの味方だから」

先生
「スカイラになんて言えばいい?」

ハイム
「ごめんね」

先生
「すぐに行って謝りなさい」

ハイム
「ごめんね」(ドアのところから部屋に向かって)

先生
「ちゃんとそばに行って」

ハイム
「ごめん」(すぐ立ち去ろうとする)

スカイラ
「もう食べちゃったの?」

先生
「ハイム、お返事は?」

ハイム
「えーと、、わかんない」

スカイラ
「ちゃんと答えて。食べたの?」

女の子
「食べたでしょ?」

ハイム
「ぼく頼んだもん」

女の子
「頼んでない」

ハイム
「頼んだ」

女の子
「ちゃんと頼んでない」

スカイラ
「もうあんたには二度とチョコあげない」

ハイム
「ごめん」(再び外へ)

女の子
「じゃああっちで遊ぼう。スカイラはいい子だよ、ちゃんと分けてくれた」

ポールさん
「ハイムは実際は“ぼくにもちょうだい”とスカイラに頼みました。
物を分け合うために、人と交流するようになったのは大きな進歩です。
しかし、目の前のチョコを見た瞬間、衝動を抑えきれなくなり奪って逃げてしまったのです」

先生
「スカイラのチョコを取って食べたの?本当のことを教えてちょうだい」

ハイム
「うん」

先生
「また同じことをする?」

ハイム
「(首を横にふる)」

ポールさん
「ハイムはかなりの進歩を遂げました。半年前だったら、単にチョコを奪い、それを認めようとしなかったでしょう。
でもいまは正直に告白し、つぐないをしようとしています。つぐないは、悪いことをしたという事実を受け入れることで、1つの能力でもあります」

ハイム
「これあげる」

画用紙に手紙を書いて渡すハイム。

スカイラ
「あ!」

ハイム
「逆さまだよ。”スカイラへ。さっきは、ごめんなさい。ハイムより”。ウサギを描いたんだ。ウサちゃんだよ」

スカイラ
「なんでウサちゃんを描いたの?」

ハイム
「スカイラが一番好きな動物だろ」

スカイラ
「そっか」

ポールさん
「これまで、4歳の子供たちの会話をこれほど密着して聞く機会はありませんでした。本当に素晴らしい体験でしたね」

子供たちは時に衝突し、拒絶されることも。

しかし、徐々に、友情を築くために必要な能力を身につけて行きました。

ポール
「4歳の子供たちは、自分の感情を認識し始めるのと同時に、周りのことも考え始めます

サム
「子供たちがいま直面している厳しい試練は、今後の人生に大いに役立つはずです。大人と子供の日常は、実はさほど変わりません

クリスチャン
「ぼくは警察官になるんだ」

ジェイダ
「わたしはシェフになりたい」

ジェシカ
「大きくなったら赤ちゃんが欲しい」

ルーク
「消防士になりたい」

ハイム
「ボクサー」

スカイラ
「大人になりたくない」

THE SECRET LIFE OF 4 YEAR OLDS (イギリス 2015年)

ちゃママ感想

息子も年少のころ、友だち同士で何かトラブルがあると、

「先生に言うからね!」

と、しょっちゅう先生に言っていたようです(+_+;

4歳の時点でこれほどまでに性格の差があり、どんな子とでもうまく付き合う方法を、ぶつかり合いながらも少しずつ学んでいく子どもたちの姿が、とても興味深くておもしろかったです。

みんな、今はどんな子に成長しているんだろう・・・

※日本でも同様の実験(?)が行われました。

そのときのレポはこちら↓

【レポ】NHK「4歳児のヒミツ~子どもの行動をカガクする~」