こんにちは、ちゃママです。
2018年3月17日放送の世界一受けたい授業を見ました。
今回の特別授業は「苦しむ子どもと悩む親を救う授業」と題して、虐待を受けた人、虐待をしていた人からのインタビューをもとに、その対策と解決法が紹介されました。
教えてくれるのは、“子どもの脳を傷つける親たち”の著書友田明美さんです。
前回は、危ない子育てについて教えてくれましたよね。
目次 [閉]
虐待を防ぐために必要なこと
2014年、24歳の母親が3歳の娘を川へ転落死させた事件。
再婚相手に娘が懐かないことにいらだった母親は「この子をこのままにしておく訳にはいかない」と、自分の手で娘を橋の上から川へと落としたのです。
このように、児童虐待の件数は昨年度、全国でおよそ12万件を超え、過去最悪に。
虐待による死亡事例は、年間84人。
およそ4日に1人、子どもが命を落としています。
中でも一番多く亡くなっている年齢は、0歳(生まれたばかり)。
予期せぬ妊娠をして困った女性が、育児放棄をして虐待死させることが最も多いのです。
友田さん
「虐待を防ぐために一番大事なのは、虐待に早く気付くこと」
去年12月。兵庫県に住む家族内で、日常的に虐待が行われていました。
この事件は、子ども自らの110番で虐待が発覚しました。
友田さん
「このケースの場合、9歳の子どもさん自身が110番通報し、助けを求めることで解決することができました。しかし、虐待を受けている本人からの通報は、全体の1%にすぎません」
実際に、母親から虐待を受けていた平田恵利香さん(仮名)27歳は、
「何かあったらフライパンで殴られたり、地下室に閉じ込められたりしていた。北海道だったのですごく寒かった。通報したことがバレたら、お母さんにもっとひどいことをされるかもしれないし、怖くて通報できなかった」
自分で通報することは、子どもにとって勇気が必要なのです。
そのため、周りにいる大人が、虐待がエスカレートする前に虐待のサインに気づく必要があります。
虐待が疑われるサイン
その1:いつも家の雨戸が閉まっている
子どもの泣き声や悲鳴を周囲に漏れないようにするため、虐待している家庭は雨戸を閉めっぱなしにし、不自然に防音していることが多いのです。
その2:夜、外に一人でいる子ども
虐待を受けている子どもは、夜に親がいないことが多く、淋しくて勝手に外に出ていくことがあります。
このような家庭は、育児放棄をしていて、心理的虐待の場合が多いのです。
虐待を受けている子どもの特徴
友田さん
「虐待されているお子さんに多く見られるのは、服に季節感がなく、同じ服を何日も着ている。服装に違和感がある。
(12月末の終業式に、半そでを着ている子どもの写真を紹介)
親が育児放棄で、服の準備などを一切しないため、真冬でもこういう格好をしていた」
気づいたとき、どうすればいい?
友田さん
「3年前に開設された『児童相談所全国共通ダイヤル“189”(局番なし)』です。
189は24時間、誰でも匿名で相談できる。周りに少しでも虐待の疑いがあると思ったら、電話をしてください。
自分で子育てに悩んでいる人や、虐待の被害に合っている人からの電話も受け付けている。
少しでも悩みがあれば、今すぐにでも電話をしてください」
感情的になる前に親がやるべきこと
虐待に悩んでいるのは、子どもだけではありません。
夫が子育てに協力しない、子どもが言うことを聞いてくれないなど、育児ストレスはさまざま。
こうした育児ストレスにより、うつ病になる親が増えていることも最新の研究でわかりました。
うつ状態になると、脳の働きが低下し、適切な判断ができなくなるといいます。
すぐ感情的になり、子どもにきつく当たることも。
でも、これはすべて虐待なのです。
実際に10年前、子どもに虐待をしていた西脇陽子さん(仮名)46歳。
現在は、周りの忠告により、虐待をやめることができたそうですが、当時は、
「子どもが言うことを聞かなかったときに、カッとなって『こんなこともできないのか!あんたバカなの!』って言っているうちに自分が興奮してきて、床に押さえつけて怒鳴っていた」
どうしても感情的になってしまいそうなときは、一旦その場から離れてトイレに行きましょう。
友田さん
「他のことに意識を向けて、5回大きな深呼吸をするだけでいいんです。落ち着いたら、どうすれば良かったのか子どもと一緒に考えてあげてください」
虐待する親の共通点とは
去年12月、日ごろから4歳の男の子に暴力をふるっていた母親が虐待死させ、逮捕。
さらに、去年2月。母親の恋人が4歳の娘に暴力をふるっていたことが明らかになり逮捕されました。
この2つの事件を起こした家庭には、「近所づきあいがなかった」という共通点がありました。
虐待を受けていた平田さん
「お母さんが社交的ではなくて、近所の人と話しているところは見たことがない」
平田さんのように、近所づきあいをしない家庭の場合、子育ての相談をする相手がおらず、ストレスを自分一人で抱え込んでしまっていることが多くあります。
友田さん
「近所の人には、積極的に子育ての悩みを相談してください。周りに子育ての先輩がいっぱいいるので、良き相談相手になってくれるんです。
相談された人は、解決策が見つからなくても一緒になって考えてあげるなど、話を聞くだけでも親の心は休まります」
子育てをする親には、周りのサポートが重要?
友田さん
「たとえば、電車やバスで子どもが泣いて困っている親を見たら、『子どもは泣くのが仕事だからね』と親に声をかけてあげてください。そのひと言で親は救われる。
周りのおせっかいが、子育てのサポートになるという研究結果がある。
東京では2014年から、『東京OSEKKAI化計画』という取り組みを始めている。地域のみんなで親と子を見守るという新しい言葉」
みなさんもぜひ、子育て中のお父さん、お母さんに、温かいまなざしや励ましの言葉をかけてあげてください。
それだけで、子どもが虐待から救われることがあります。
いまの子育ては、社会全体で子どもを育てる共同保育という考えが大事なのです。
虐待から立ち直った人
友田さん
「虐待を受けていた人が、どのようにして立ち直ったのか、お話を聞くことができました」
物心ついたときから18歳で家を出るまで、母親から虐待を受け続けた横山美紀さん(仮名)32歳。
「傷つけられるような言葉を毎日浴びせられたり、しつけと称してビンタを繰り返されたり。毎日のことでした。家に帰るのも嫌だったし、早く殺してくれないかなと思っていた」
そんな横山さんの家庭には、虐待問題につきまとうある事実が。
横山さん
「母親も母親に虐待を受けていた。連鎖してしまっている典型例だった」
統計的に、子どものころに虐待を受けた人の3分の1が、自分の子どもを虐待するという結果があります。
虐待を受けることで、愛情が注がれずに育ってしまうと、自分の子どもにどうやって接していいのかわからず、自分も虐待をするという負の連鎖が起こる場合があるのです。
そんな横山さんの心を救ってくれたのは、高校卒業後、一人暮らしになってからかかってきた母親からの一本の電話。
横山さん
「母親が『わたしの育て方が悪かった』『ごめんなさい』と謝った。あなたが人に甘えられなかったり、頼ったりできないのは、お母さんが悪かったと言っていた。あの言葉があって救われた気がした」
その電話をきっかけに、“同じように虐待される人を救いたい”と思い、横山さんは虐待カウンセラーを目指すことにしました。
現在では、被害者のカウンセリングで虐待を少しでも減らす活動に力を入れています。
友田さん
「一番大事なのは、周りがいち早く気づいてあげることだと思う」
ちゃママ感想
母親がわが子を虐待死させて逮捕されたなどというニュースを見ると、ものすごく心が痛みますよね。
育児ストレスを感じたことがない母親はいないと思います。
わたしも息子がイヤイヤ期のときは、トイレに入って自分を落ち着かせたことが何度かありました。
局番なしの「189」は通報だけでなく、匿名で相談にものってくれます。
一人で悩まないで、勇気を出して電話をして欲しいと思いました。
わたしがトイレに引きこもったエピソードはこちら↓
息子と二人きりがつらくて泣いたこともあったなぁ…懐かしい。。