こんにちは、ちゃママです。
2019年4月14日放送の「林先生が驚く初耳学SP」を見ました。
パリコレ学、パティシエール学など番組の趣旨が変わってきている気がしますが、教育に関することは要チェックなこの番組。
今回は、「林先生がいま一番会いたい教育者」に直撃しました!
目次
大胆な改革を行う公立中学校
明治から続いてきた日本の学校教育を、令和時代を迎えるいま、ある中学校が変えようとしています。
日本の学校教育に一石を投じ、あまりに大胆な改革がたびたびニュースになるこの中学校。
それが千代田区立麹町中学校です。
ここで行われている新たな教育が、
- 宿題の廃止
- 定期テストの廃止
- クラス担任制の廃止
です。
この大胆すぎる改革を推し進めているのが、校長の工藤勇一先生。
林先生
「最近よくある民間登用の先生ではなく、ずっと先生をしていて30代から校長を目指して教育委員会にいき、2014年に麹町中学校の校長に赴任してからはずっと改革を進めている」
公立中学校にもかかわらず、なぜここまで大胆な改革を行うのか。
その理由には誰もが納得する工藤校長の現代教育の考え方があったのです。
学校の当たり前を変えた3つの改革
(1)宿題の廃止
工藤先生
「宿題って…え?知らないのかな?知ってますよね?宿題なんて本当は意味がないって」
林先生
「もっと大きな声で言ってください(笑)僕はずっと言い続けてますけど」
工藤先生
「自分の人生を自分で考えられるような年頃(中学生くらい)になって、例えば”同じ漢字を30回ずつ書いてきなさい”とか”同じ英単語を30回ずつ書いてきなさい”とか、これは修行でしかない。
宿題は膨大だから、子どもがやるのは『どうやってこの宿題をこなすか』だけ考えるようになる。質なんてどうでもよくなる。
”勉強の習慣をつけさせることが大事だ”とか”学習習慣をつけさせることが大事だ”とか言ってますよね?
何もやることがないのに、机に向かうことが大事だって思います?と僕が聞きたい」
<スタジオ>
林先生
「宿題に関して『なんで出すのか』と根本から考えてみると、その単元がわかっているかどうか、その単元の理解を深めるためだと。
でも実際にはわかっている子どもたちもやらないといけない。
その子たちにとって宿題というのは、一体どういう意味があるのか。
逆にできない子どもにとっては、宿題を出されてもよく分からないから、人の解答を写して提出することもある。
本来の目的を失っているものはやめましょうということで、『単元の理解を深める』という目的を失った宿題は廃止した」
(2)定期テストの廃止
麹町中学校のデータによると、定期テスト廃止後、数学が苦手だった生徒の学力が上がり、全体の学力も底上げされたそうです。
工藤先生
「いまの日本の教育は、情報を与え続けて、それを記憶してペーパーにアウトプットする。この能力が長けている人が大学に合格していく。
本当に大事なのは、子ども自身が『勉強したい』と思うかどうか」
この考え方から、定期テストの代わりに導入したのが単元テスト。
例えば数学なら、比例反比例の単元が終わったところで行う小テスト。
ポイントは、一度受けたあと再チャレンジすることが可能ということ。
工藤先生
「宿題をなくしたのは、再テスト制とセット。
小テストの一回目が70点だったとき、子どもが『再テストを受けたい』と自分で申し出てきたときに2回目の日にちが決まっていて再び受けられる」
林先生
「それも自己申告?」
工藤先生
「自己申告。受けさせているのではない。
70点だった子どもは、30点分のわからなかったところを調べてくる。
勉強はわからないものをわからせることだから、わかるようにするための努力をする。
友達に聞こうかな?調べてわかるかな?と工夫するようになる。
工夫をして何らかのアクションをしてわかるようになると、それが自分の経験になるので、次の行動に変化が出る」
<スタジオ>
林先生
「校長は『目的と手段』と何度もおっしゃるし、本にも書いている。
全国の学校でほぼ同じ形で中間テストや期末テストが行われている。
その理由は通知表をつけるためだと。
そもそも通知表をつけるのは、みんなの学力を向上させるための一つの手段として用意されていた。
ところが通知表をつけることが、いつのまにか手段ではなくて目的に変わっているのではないか。
実は本来の形を忘れてこういう慣習だからと続けられていることがたくさんある。
だから麹町中学校では廃止した。
勉強はやらされているうちは、成績は伸びないですよ」
さらに、工藤校長の改革は勉強だけでなく学校行事でも。
工藤校長
「子どもたちに体育祭という行事を全部あげた。最上位目標を達成してくださいとミッションを与えた。
保護者とか教員とか大人は誰も楽しくなくていいから、生徒全員を楽しませてくれと。
運動会が嫌で嫌でたまらない子がたくさんいる。運動が嫌いな子がいる。
その子も楽しめて、運動が得意な子も楽しめる、全員が楽しめる体育祭にしてと。
すると子どもたちは悩む」
この目標を与えられた生徒たちは、全体の1割(約15人)が反対した全員リレーを廃止したのです。
工藤校長
「今まで体育祭が大嫌いだった子どもたちも含めて『楽しかった』と言ってくれた。
これはすごい問題解決」
<スタジオ>
澤部さん
「結局なにをやったの?」
林先生
「オリジナルの競技をいろいろ作った(ピコピコハンマー騎馬戦、ムカデ競争など)。
その一方で、学園祭でのミッションは『来た人を楽しませる文化祭』だった。
その結果、文化祭のステージに立てるのは希望者全員ではなく、オーディションで決めるなどした」
(3)クラス担任制の廃止
工藤校長
「クラス担任の代わりに全員担任制にした。学年ごとのスタッフ。全員担任制は全国に広めたい」
2018年度から始めた新たな改革が、学年の全教員で学年の全生徒を見る「全員担任制」。
工藤校長
「イメージとしてはチーム医療と同じ。子どもにある問題が起きたらその問題を最も解決しやすい人間が当たる。
例えば子ども同士のケンカでも、もっと大きいトラブルであっても、最も適しているだろうなという人をマネジメントしてあてがっていく」
生徒間のトラブル解決に向いている先生や保護者対応に向いている先生など、それぞれの特性をマネジメント役の先生が見極めて配置していくのが全員担任制のしくみ。
林先生
「実際にやってみて今までの成果は?」
工藤校長
「子どもたちがクラスの比較をしなくなった。
うちのクラスは良いとか悪いとか全く言わなくなった。全くというか、すごい減った。
今までだったら『うちのクラスで問題が起こった』『仲直りができない』となると、どんどんクラスが荒れていき、これは担任のせいになる。
そうなるとそのクラスは改善能力がなくなる。自己改善できなくなる。
人のせいにしている人間になっていくので、教育を良くしていくためにはすべての大人が当事者でなければいけないし、子ども自身が自分たちが当事者になっていく仕組みを作っていかないと、人のせいにすることだけを覚えてしまう子どもになってしまう」
林先生
「先生にとってもその制度は良い?」
工藤校長
「職員室の雰囲気は『子どもをどうする』という話題でいっぱいになる。
今までだったら『あの子は問題だよね』みたいなことが共有化されたりしていた。
でもそれは『学級担任がやることでしょ』と」
林先生
「保護者のかたは戸惑ったのでは?」
工藤校長
「『みんなが見なくなるんじゃないか』と心配をする保護者もいた。
でも僕が大事にしたいのは、保護者もそうだが『誰か良い教育をして』と期待ばかりするこの構図が良くないと。
世の中全体が人のせいにしている世の中に変わってきているなと感じている。
学校も『言われたことをやりなさい』といって子どもたちを育てているから、自分が当事者だという意識が薄れていく」
<スタジオ>
林先生
「工藤先生は日本社会全体から当事者意識が薄れているのではないかと。
そこを変えるためには小さいころから教育を通じて子どもたちに当事者意識を持ってもらうことが一番大事じゃないかという考えのもとに、とにかく生徒たちが主体的に、生徒のためになることを教師はとことんやっていくということをいろんな面でやっている。
また、みんな仲良くする必要はないということも言っている。
学校は『みんな仲よくしよう』という。でもどうやっても仲良くなれない人がいるのが世の中だと。
その対立の中でどう解決していくかを考えようという方向なんですよ。
だって世の中には僕みたいなやつがいるんですよ?(スタジオ笑)
校長の頭にあるのは、教育の最終目的はどこなのか。
社会に出てからより良く生きる。その能力を身につけることなので、そのために役に立つことはやると」
ちゃママ感想
こんな中学校に息子を入学させたいと思ってしまいました。
私立中学校で「校則を生徒たちの話し合いで決めている」などというのはあっても、公立中学校でこのような改革をしている学校があるとは驚きました。
宿題は修行…(苦笑;)
息子も習った漢字を含む文の書写を、最初に平仮名と送り仮名だけをノートに書いたりしていて、
「写すだけって、頭を使う宿題じゃないからつまらない」
と言っていました。。もうすでに読めるし書けるのにっていうね(+_+;
前回まさに宿題の一人勉強の話を書きましたが、わかっていることよりも”知らないことを勉強したい”ということは知的好奇心があるということですよね。
わたしはこれからも息子なりに頭を使っている”オリジナル一人勉強”を応援したいと改めて思いました(笑)
そして当事者意識。
これは選挙の投票率に反映されている気がします。。
学校のみんなと仲良くする必要はないという話は、以前の初耳学で林先生が熱弁していましたね。
自分に合わない人がいるのは当たり前なんですよね。
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