【齋藤孝】子どもの教育格差は「経済格差」ではなく「親の意欲」


こんにちは、ちゃママです。

齋藤孝さんの「賢い子に育てる 最高の勉強法」という本を読みました。

インターネットでさまざまな情報が得られる時代。

子どもの教育格差は、”経済格差ではなく、親の意欲によってつく”という話に妙に納得してしまいました。
(経済格差もあると思うけど…)

全体的にとても参考になりましたが、大学入試でも「自分で学びたいことを一生懸命やってきた」という意欲や関心が評価される時代になってきました。

学校の勉強をする以前に、子どもが意欲的に取り組んでいく姿勢を確立するためにはどうしたらいいのかなど、ほんの一部ですが書いておこうと思います。

目次

智仁勇を育てる勉強

勉強のいいところは、「勇気を育てる」ところにあると私は考えています。

『論語』の中に「智仁勇」という言葉がありますが、これは「知力」「優しさ」「勇気」ということを意味します。

この3つを持つことが、人間にとって大事なことなのだ、というのです。

同じようなことを、西洋では「知情意」とも言いますが、これは知性があって、情が通い合っていて、意志が強い、という意味です。

不思議なことに、これが洋の東西で対応しているんですね。

この3つがあれば、人間はだいたい大丈夫ということです。

こうしてみると、実は勉強は、知の部分を鍛えるものでありながら、新しいものにチャレンジしていく勇気を常に問うものであるのです。

新しい問題が出たときに、その難しさに「ああダメだ」と思う人と、まずは「落ち着け」と思って「練習すればできるようになる」と勉強している人の態度の違いです。

ですから勉強をするということは、新しいことを目の前にしても逃げない、難しそうに見えることでもチャレンジしてできるようになるまでやる。

そういう意志力を鍛えることでもあるのです。

自分で考える喜び

勉強で一番大事なのは「自分で考える」ということです。

ノーベル物理学賞の受賞者である湯川秀樹さんは、著者の中で、

「何よりも私を喜ばせたのは、難しそうな問題が、自分ひとりの力で解けるということであった」

考えることの喜びを教えられた」

「何時間かかっても解けないような問題に出会うとファイトが湧いてくる、夢中になる

「どんどん自分でやるようになった」

「とにかく頭は単純で、徹底的にやらないと、分からないと気がすまなかった私には、それが性に合っていた」

と述べています。

自分で考えることの喜びを知ることが、勉強の一番大事なことなのです。

では、子どもに「考えることはおもしろい」と思わせるためには、どうしたらいいのでしょうか?

まず、その子がハマるものを見つけることが第一です。

とにかく好きなものは徹底してその道を歩ませるということです。

なぜなら、人は得意なものだと努力できるからです。

探求心を育て、達成感を与える

探究心を育てるのに必要なものは、やはり親の意欲です。

親も子どもと同じ目線に立って一緒に勉強していく。

「このためにはどうやったらいいんだろうね」

と親が会話してやりながら一緒に進めると、課題をクリアするための工夫が出てきます。

課題を達成することで気持ちもポジティブになりますし、自分が好きで選んだことだから続けることになる。

親が「やりなさい」と励まして一流になるものもありますが、基本は、本人がやりたくてどうしてもやらせて欲しい、というもののほうがいいのは言うまでもありません。

何かを張り切って押し付けるということではなく、子どもの興味のおもむく先に、さりげなく助言を与えてみるということです。

インターネットというのは、実は学習意欲を持ってさえいれば、経済格差なく子どもを文化的な環境に置くことができる貴重な手段なのです。

現代において子どもの教育に大きな差をつけてしまうのは、勉強の意欲、教養に対する意欲が、親にあるかないかということになってくるのです。

そして、最も重要なのは「問題意識」です。

なぜそうなるのか、なぜそうなのか、と親が問いかけたり手伝ったりして、対話しながら子どもの発想を活かしていく。

「その発想、いいね!」と励ましながら進めていくことが大切です。

出来不出来を考える必要はなく、自分の発想で子どもが「こう進めたい」といえば、「それでやってみよう」と促す。

親は「何が不思議だと思う?」などと聞き続け、子どもが「これかな?」と答えたら、「じゃぁ、その証拠みたいなものを、どうやって示せばいいかな」と聞き続ければいいのです。

こうして子どもの探求心を高めていくことが大切なのです。

これは、自由研究っぽいものですが、普段の学力でもこうしたことを求められるようになっています。

課題を持ってちゃんと実験するとか調査するとか、それを最終的にレポートに仕上げることを、小学生の時代からもう目指す時代に来ているということです。

4年生になると急に意識が変わって、社会的な問題に関心を持つ子が増えてきます。

親が子どもの関心のあるテーマで負担にならない程度に、新聞のスクラップやインターネットで調べてプリントアウトしたものに年月日とコメントを一言記入させるなどしてノートにまとめるのもいいのです。

何より大事なのは、子どもが得る達成感です。

自分で課題を立てて探究して達成する。

これを繰り返していくことで、堅実な力自分で何かを切り拓く力を身につけられるのです。

ちゃママまとめ

親が子供の関心のあるテーマを追求できるようにサポートする、環境を整えてあげる。

「勉強に関係ないことに夢中になってもしょうがない」

「なんでそんなことが好きなの?」

興味を潰すのではなく、親が押し付けるのではなく、子どものやりたいことをやりたいだけやらせてあげる

林先生も、

仮に勉強していなくても、何か好きなことにずっと打ち込んでいたという経験がある子は、勉強に切り替えた時にスムーズに移行できる場合が多く、勉強に集中できる。

と話していましたよね。

【必見】林修先生「子を東大に入学させたい親」が意識すべきたった2つのポイント

環境を整えるという点でいえば、わたしも息子が車に興味を持ち始めてから、車のチラシなどをファイルに入れてあげました。

チラシや新聞、JAFの冊子の切り抜きなどを入れて「車ファイル」を作ってあげたのですが、何度も見て車を覚えていきました。

今でも気に入った写真などを入れ続け、3冊目がもうすぐ終わりそうです。

齋藤さんの本では、小学校までの育て方や、国数理社英の各教科の攻略法なども紹介されていましたので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

親も勉強が必要な時代ですね。

【変わる大学入試】齋藤孝「新時代」に求められる「3つの力」 【初耳学】学校の授業は平均学力に「学力格差は親にも責任がある」 「東大卒」はブランドなのか|学力を伸ばす家庭のルール 【初耳学】神経衰弱をする子が東大合格?子どものアレに付き合う!