【あさイチ】どうする?子どもへの「性教育」レポ

こんにちは、ちゃママです。

2018年7月18日放送のあさイチを見ました。
テーマは「どうする?子どもへの”性教育”」でした。

SNSによる子どもの犯罪被害は年々増加しています。

そのほとんどが、児童ポルノや児童買春などの性被害です。
8歳の女の子まで性被害を受ける事態となっています。

有害サイトをブロックするフィルターをかけていても、「らぶらぶ」などの言葉で検索するとアダルトサイトがたくさん出てきてしまいます。

そんななか、各学校でも子どもへの性教育に力を入れ始めています。
しかし、専門家はいま必要な性教育は学校だけで担いきれないと指摘しています。

学校で、家庭で、大人たちは性のことをどう教えればいいのでしょうか?

目次

学校での性教育

2000年、10代(15~19歳)の人工妊娠中絶の実施率が全国平均よりもかなり高かった秋田県
2016年には全国平均を下回るまでになりました。

秋田県では医師会と連携して、医師による性教育講座を県の事業として年間68校で実施しています。

中学3年生に望まない妊娠を避ける避妊法を具体的に解説。若い人にも広がっている性感染症の予防についても細かく伝えます。

この授業は18年前、中絶や性感染症に悩む子どもたちを現場で見てきた産婦人科医たちが、県の教育委員会に申し入れて始まりました。

さらに教師たちに、性教育を人間教育の一環としてとらえる指導を行うように徹底してきました。

毎年、秋田県じゅうの学校の教師たちが集まる性教育の研修会が開かれています。

性のことは保健体育の授業だけでなく、あらゆる教科のさまざまな機会で意識できるように、それぞれの学校で年間計画を作ることを義務付けています。

例えば音楽では、合唱のときに思春期の男子生徒におとずれる変声期を、体の変化に関連して話します。
理科や社会でも、生殖活動や男女の違いなど性に関することとして教えます。

北海道教育大学教授・渡部基さん
「どこかの場面でドンと大きくやればすむことではなく、いろんな場面で少しずつでも繰り返し積み重ねていくことが、人間形成につながっていく」

秋田県での人工妊娠中絶が減ったのは、医師による性教育講座に加え、教師たちの授業があったからこそだといいます。

学習指導要領による性に関する主な学習内容(保健体育)

<小学校4年生>
男女の体つきの特徴
月経と射精

<中学校1年生>
受精・妊娠の仕組み
性衝動
異性との関わり方
性情報への対処

<中学3年生>
性感染症やエイズの症状
感染経路(性的接触)や予防(コンドームの使用)

<高校生>
出産に適した年齢
避妊
人工妊娠中絶

学習内容はあっても、どの学校も一律に教えているわけではなく消極的な学校が多いといいます。
また、あまり踏み込んだ内容にすると保護者からクレームが来ることもあるそうです。

親による性教育

小学校5年生の女児が、出会い系アプリを使って見知らぬ高校生と会っていたというケースがありました。

産婦人科医・上村茂仁さん
「これからの時代、ネットで知り合うことは止めることができない。恋愛に発展することもあると思う。
親もやりとりのところなどから否定せずに参加して、危険性を伝えていく。
すべて否定してしまうと隠れて行動するようになる。
絶対に親には報告しなくなるので『認めるけれども心配なことがある』『何かあったら怒らないから相談してほしい』という親の立場を伝える」

小島慶子さん
「15歳と12歳の息子がいるが、かなり小さいときから『残念ながら世の中にはいろんな大人がいて、子どもの裸にすごく興味があったり、子どもをだまして自分の好きなようにしようと思う大人がいる』と繰り返し話してきた。
全部の大人がそうではないし、親切そうに見えてそういう人もいるので知っておいてほしいと」

上村茂仁さん
「小さいうちからこういう人と知り合ったとか、何かあったら相談してほしいという環境を作ることが大事。そのときは怒らない、否定しない

山口もえさん
「思春期や反抗期に親の言葉を素直に聞いてくれるのか心配」

上村茂仁さん
「親としてはリスクを毅然として言わなければいけない。難しければ本やサイトを教えるのでもいい。
見逃したり無視するのが一番よくない。親として子どもを守らないといけない。
楽しい、幸せな恋愛をするにはこうしたらいいよ、こういうことに気をつけたらとても楽しい付き合いができるよという話をする。

また、恋愛のことは親よりも友達に相談することが多い。
『あなたがもし友達に相談されたときに、いろいろなことが答えられるようないい友達になってほしいから』と、その子に向かってではなく一般的にそういう年齢になったからと間接的に話す方法で子どもに知識を与えるのもいい。
子どもの性格に合わせたアプローチの仕方を考える」

幼児期からの性教育

いつから性教育をしたらいいのか。
いま、幼児期から性教育をしようという取り組みが行われています。

4人の子を持つ助産師の在川有美子さん
幼児期から家庭で始める性教育講座が人気です。

子どもが性に先入観のないうちから教え始めることを勧めています。

<講座中のVTR>
伝えるべき大事なポイントは、自分の性器を大切に扱うこと

在川有美子さん
「(亀頭が)見えるところまでくっと引き下げると、亀頭と包皮のあいだに恥垢ちこうという垢がたまる。
ヒトパピローマウイルスが男性のここにたまって、それがパートナーや彼女、奥さまにうつすのが子宮頸がん。
女の子が予防するのも大切だけど、その前に男の子が予防しなくてはダメ。
今から『ここをちゃんと洗うのがかっこいい』と教えてあげれば、それが習慣になる」

もう一つのポイントは、性のことをタブー視せず親子で話せる関係を普段から作っておくこと

在川有美子さん
「たとえば『セックスってなに?』と聞いてきたときに、『どこでそんな言葉聞いてきたの!』と言ってしまうと、『この話はお母さんにはできない』『家ではしちゃいけない話題なんだ』とパタンと扉を閉じかねないので、まずは質問そのものを認めてあげる。
(返事が)とっさに出てこなかった場合は、おうむ返しするだけでもいい。
『赤ちゃんはどこからくるの?』と聞かれたら、『どこからくるんだろうね』と返してあげるだけでも否定された気持ちにはならない」

在川有美子さん
「自分の体を知る、自分のことを知る、そして自分を大切に扱う。それができて初めて相手を大切にできたり、思いやれる。
あなたはとても愛される存在、大切な存在なんだと伝えるのは、学校ではなく家庭だと思う」

プライベートゾーンを伝える

親が教えるべきこととして、在川さんが大切にしていることがあります。

在川有美子さん
「自分の体を大切にするために必要な基本的な考え方として、プライベートゾーンを伝えるように話している。
水着を着たときに隠れる場所は、自分だけの大切な場所、守るべき場所であるという考え方

人に見せたり触らせたりしてはいけない場所。
また、人のプライベートゾーンも見せられたり、触らせられたりしてはいけない大切な場所だと話す。

すごく親切そうに見える人や親しい間柄の人でも、プライベートゾーンを見せてとか触らせてと言われたときに『イヤだ』と断っていいこと、逃げてもいいことが認識できるようになると、性犯罪の被害の防止にもつながっていくと思う。

また、プライベートゾーンを自分で洗う習慣をつけると、自分の体を知って大切に扱う意識づけになっていく。
その延長線上にある下着も自分で洗う習慣をつけると、初潮がはじまったり精通を迎えたときにもあわてずにすむ。

外で人に見せたり、スカートめくりをしたりしてはいけないという判断も、自分でできるようになる。
大きくなれば(下着を)売ってお金にかえたり、写真を撮ってアップしたりすることも、やってはいけないと自分で判断できるようになる。

幼児期の自慰行為(性器いじり)の相談が多いが、自分のプライベートゾーンを自分で触ることはまったく問題ない。
ただ、プライベートゾーンなので人前ではしてはいけないと伝える。

プライベートゾーンに関する言葉や話題を、興味本位で外で大声で話したり、人をからかいの対象として口にすることは、人を傷つけたり不快な思いをさせたりすることに繫がると、自分で認識できるようになる」

子どもに直接教えるのが難しい場合は、絵本やマンガを有効活用することを勧めています。
(番組で紹介された本のリンクは最後に)

スタジオでのトーク

小島慶子さん
「息子たちが小さいころ、一緒にお風呂に入っているといろいろと質問してくる。そのときに一問一答で答えていたら、小学校3年生くらいにはすべての過程を教え終えていた。それほど気構えなくても、子どもの質問に親がついていくだけでもできる」

山口もえさん
「親としてはここまで話してしまうと、逆に興味を持ちすぎてしまうのではという心配もある」

小島慶子さん
「息子たちに聞いてきたが『全然そうは思わない』と言っていた。小さいころから生き物のしくみと同じように聞いてきたから、周りの子が『うわ!エロい!』と言っているのを見て、『どうして騒いでいるんだろうと思った』と言っていた。息子たちに関しては、急に聞いてエロい気持ちになったことはないようだ」

上村茂仁さん
「正しい知識を持てば持つほど相手に優しくなるし、行動を抑えられる。行動を起こしているのは、わからないで遊び半分ということが多い。
子どもに性のことを話すと、親はどうなのかと自分のプライベートのことにつっこまれるのが苦手な人が多い」

小島慶子さん
「『子どもにパパとママもしたの?』と聞かれたので、『したから君たちが生まれたんだよ』と言って、『いまもしてるの?』と聞かれたときには『そういうことは人に言いたくないから言わない』と言った」

上村茂仁さん
「自分のプライベートは語らないけれども、というのも大事。学校の先生も個人情報だから言わないというスタンスで話すといい」

ちゃママ感想

人工妊娠中絶率を下げた秋田県の取り組み。
18年前に始まっているのに全国的に広がっていないというのは残念ですね。

小さな子どもの答えづらい質問には、おうむ返しをするだけでもいい。
話してはいけないという雰囲気を作らずに、正しい知識を伝える

番組では、妹が生まれたときにお兄ちゃん(4才)に絵本を与えたという家庭が紹介されました。

先入観のない幼児期から積み重ねていくことが大切ということでしたが、スタジオゲストの小島慶子さんのように自分から教えるのは難しいというかたはがオススメです。

すでに思春期に入ってしまって話しづらいというかたは、そっと本棚に置いておくといいかもしれませんね。

番組で紹介された本はこちら↓

・幼児にオススメ

・小学生、思春期にオススメ

スタジオのセットに置いてあった本はこちら↓

情報に簡単にアクセスできてしまう時代だからこそ、正しい知識を教えることはとても大切ですね。

命の大切さ、人の尊厳などにつながることなので、本などを利用しながら伝えていきたいと思いました。

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