【あさイチ】家庭で「考える力」を身につける会話術

こんにちは、ちゃママです。

2018年1月10日放送のあさイチ「子どもの授業が激変!?2018教育改革最前線」を見ました。

 

学習指導要領は、平成10年ごろから「ゆとり教育」、平成20年ごろから「脱ゆとり教育」と、知識の量に関しての改訂が行われてきました。

ところが、2020年度からは、知識を使う力(思考力・判断力・表現力)を身につけることが目的になるといいます。

子どもが主役の授業、アクティブラーニングが広まるなか、家庭では考える力を育てることが必要とされています。

※アクティブラーニングについてはこちら→【ウサワの保護者会】「アクティブ・ラーニング」とは何か?

 

今日は番組内で紹介した、家庭で「考える力」を身につける会話術の部分のレポです。

目次

考えをまとめる手助けをする

小学4年生の男の子ゆうくん

テストで、選択肢がある問題や穴埋め問題は解けるものの、「思考力」「表現力」を問う記述式の問題は答えられず空欄にしてしまうことが多くなった。

以前はそれほど勉強に苦手意識はなかったが、記述式の問題が出るようになってからやる気がなくなってきたといいます。

お母さんは、子どもの考える力をどうやったらつけられるのか悩んでいます。

そんな二人にアドバイスをするのは、アクティブ・ラーニングの専門家、得能絵里子さん

得能さん
「Q(質問)に対して、A(答え)がちょっと遠くて、その道のりをどう行ってもいいというところが混乱を招いている。そこに”階段”を作ることをお母さんができるといい」

 

得能さんによると、子どもが考えをまとめやすくなる会話術があるといいます。

ためしに、次の理科の問題を解いてみます。

問題:ひょうたんが夏に成長する理由は?

模範解答は、夏は気温がぐんぐん上がるから。

会話術その1:まずは単語で答えられる質問から聞く

得能さん
「植物が成長するために必要なことって知ってる?」

ゆうくん
「日光」

得能さん
「なるほど、他にもあったりする?」

ゆうくん
「水」

得能さん
「水、そうだね。すごく大事だと思う」

まずは、答えに必要な知識をゆうくんと一緒に確認します。

会話術その2:なぜそう考えたか理由を聞く

得能さん
「(問題と)どれが一番関係がありそう?」

ゆうくん
「日光」

得能さん
「そうですね、なんで?」

ゆうくん
「冬は太陽が通る位置が低くて、夏は太陽の通る位置がもっと上だから。日光の…」

 

ゆうくんの頭の中で、徐々に考えができてきました。

ゆうくん
「日光の力が増す」

得能さん
「そうだね、日光の力が増す」

順を追って質問することで、自分の知識をもとに考えを組み立てやすくなるのだそうです。

 

続いては国語の問題。

問題:(童話の『ごんぎつね』を読んで)主人公の2人は最後に心を通わせた?

この問題、はっきりとした正解はなく、自分の意見とその理由を書けばいいのですが、ゆうくんは自分の考えを書いて×がつくかもしれないと思うと書けなくなってしまうといいます。

会話術その3:子どもの考えに自信をもたせる

得能さん
「ゆうくんが”こう思った”ということが素晴らしいことだから、それをぜひ書いてほしいと思う。バッテンがつくかもとか、もしかしたら違うかもって思わなくて良くて、ゆうくんが今考えていることを書くだけでいいから」

何を書いてもいいと言われたゆうくんは、「安心した」と言いました。

 

あとは先ほどと同じように、簡単な質問から始めます。

お母さん
「いつも『ごんぎつね』、音読してたね?ごんと兵十と、どっちのほうがよく気持ちが分かった?」

ゆうくん
「ごん」

お母さん
「ごんってどんな気持ちだったか、最後思い出せる?」

ゆうくん
「うん」

お母さん
「どんな気持ちだった?」

ゆうくん
「撃たれて、悲しかった」

質問を重ねていくと、ゆうくんは自分から解答を書き始めました。

最初は時間がかかっても、慣れればひとりで答えられると言います。

次こういう問題が出たときは、「自分の意見をちゃんと書く」と言ったゆうくん。

お母さんは、「少しずつ段階を追って聞いていけば安心につながるという経験をたくさんさせてあげたい」ということでした。

パックン流考えさせる会話術

スタジオゲストのパックンは、大学でコミュニケーション術を教えている。

パックンさん
「自分の子どもも一般的な小学校に通っているので、教え込み式で知識や計算力は抜群。日本の教育はその点では本当に優れている。

でもどうしたら、想像力や表現力が身につくのかと工夫してきた。

まず僕はいっぱい『どう思います?なんだと思います?』と子どもに質問する。

たとえば目の前にあるものを持ちあげて『ボールペンにあるこの部分はなんだと思います?』と聞く。

でも、子どもは家庭でも学校でも教えられていない。胸ポケットにひっかけると思いつくかもしれないし、違う答えかもしれない。

正解はわからないものでも、考えるきっかけになる。

子どもが『知らな~い』と言うこともあるが、知ってる知っていないではなくどう思うのか、あなたの考えを教えてほしいという正解のない会話を家庭でするのがいいと思う」

有働さん
「でも正解があるときもある。子どもが全く違う答えを言っていて、社会で言うと恥ずかしい思いをするのではないかという心配は?」

パックンさん
「たとえば『初代大統領は誰ですか?』と聞いて『リンカーン』と答えたとすると、『あ、リンカーンは立派な大統領だったよね。何をした人か知ってる?』とリンカーンについて少し話したあと、『でも実はその前に、ワシントンって聞いたことあるよね?』と、肯定したうえで正解を教えるのもいいんじゃないかな?と思う」

有働さん
「たとえば、戦争を肯定したら?戦争しないと終わらなかったじゃないかなど思想の問題をぶつけてきたときは?」

パックンさん
「完全に放置することはなく、指導することはある。あくまでも子どもの考えを中心に進める。

『なるほどね。ちなみに戦争で多くの人が死ぬことはわかっているよね?どう思う?』と。

『戦争はだめだ』とひと言で教え込むよりも、そっちのほうが道徳観や倫理が身につくと思う」

有働さん
「親も相当向き合わなければいけないですね」

ちゃママ感想

親が丁寧に聞いていくことで、子どもが考えをまとめるのを手伝う。

家庭で考える力をつけるには、親子の会話が大切だということがわかりますね。

そして、子どもに質問をすることは、「考えるクセ」がつくのでいいと思いました。

子どもが「論理的思考力」を身につけるため親がするべき7つの質問を参考に、普段の親子の会話で「考える力」を育てていきましょう!

 

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