親野智可等さん流「叱らない極意」とは|助けて!きわめびと


こんにちは、ちゃママです。

2018年9月28日放送の「助けて!きわめびと」を見ました。

テーマは「叱りたくないのに叱っちゃう…」でした。

ついつい子どもにガミガミしてしまう。

でも、小1~中3の保護者2621人に調査したところ、83.8%もの保護者が叱りすぎて後悔していると答えたのです。

もうそんな後悔から卒業しよう!というわけで、叱らない極意が紹介されました。

スタジオゲストのきわめびとは、教育評論家・親野智可等さんです。

目次

ガミガミ家族に密着

和歌山市の藤井家。

長男(10)、長女(8)、次男(1)のうち、一番怒られるのは長男だといいます。

ゲームの取り合い、時間を守らない、片づけないなど、叱りつけてしまうことは日常茶飯事。

お母さん
「叱りたくないと思って我慢しててもついワァーっと言っちゃうことはある。自分で考える力を持たせて促せるような言い方をしたいけど、そこまで余裕がなくてつい怒ってしまう」

日常の様子を撮影したところ、夫婦で4時間のあいだに52回叱っていました
(1時間あたり13回→えっ?5分に1回⁉︎)

お母さんは長年、言い方を直したいと思っています。

親野さん
「子どもを叱れば叱るほど、子どもは心を閉ざすようになり、いくら言っても聞かなくなる。罰を与えるようになるとさらに悪循環になり、冷え切った関係になる。

叱りたくなったときは、とにかく先にほめる。できるようになったからほめるのではなく、先にほめる。ほめたらできるようになっていく」

では、どのような”ほめ作戦”がいいのでしょうか?

叱らない極意

1.部分をほめる

小さい部分を最大限ほめる。
一番きれいに書けている文字をほめる。
字の大きさをほめる。ハネやハライをほめる。
線がまっすぐ引けたことをほめる。
絵の中でも、子どもの部屋でも、どこかほめるところを見つけ出す。
先にほめてから「ココは直そうか」などと提案する。

2.チームでほめる

同じことを別の人にもほめてもらう。
あるお母さんに「家で子どものノートの字をほめているので、先生からもほめてください」とお願いされた。そのお母さんは塾の先生にも同じことをお願いしていた。
子どもとしては、家、学校、塾で同じことをほめられる。
3人以上に言われたら、自分のいいところだと信じる。

3.時間でほめる

アラームを設定する。
ほめようという気持ちになっても、すぐに忘れてしまう。
忘れないためにもほめる時刻を決めてしまう。
アラームが鳴ったら必ずほめる。
「まだほめてないな」「どこかほめるところはないかな」と思いながら子どもを見ることが大事。

ほめほめ作戦で変化

先ほどの藤井家に3つの極意を実践してもらい、どのような効果があるか試してもらいました。

長女が教材に自分の名前を書いています。

お父さん
「”藤”って書けてるやん、知ってた?」

お母さん
「すごい!習ってないのに?めちゃめちゃきれいやん!」

お父さんとお母さんがチームでほめました。

台所にいたお母さん。アラームが鳴りました。

お母さん
「最近、自分で前髪をとめてくれるからありがたいわ」

お父さん
「そうなん?」

お父さんも一緒にほめることができました。

帰宅した長男。この日の宿題は音読です。さっそく音読をする長男。

お母さん
「めっちゃ大きい声で読めたな、ここ(台所)まではっきり聞こえたわ」

いつもは宿題でほめることがないお母さんですが、この日は長男をほめてみました。

ここで、おじいちゃんが藤井家にやってきました。

子どもたちが大好きなおじいちゃんもチームでほめる作戦のために呼ばれたのです。

おじいちゃん
「宿題終わったん?すごーい!」

と、さっきお母さんがほめたばかりの宿題を、おじいちゃんも続けてほめます。

夕食の時間もチームでほめます。

「お兄ちゃんの食べっぷりがすごい」
「お姉ちゃんもよく食べてる」

など子どもたちをほめると、普段はやらないという食器の片づけを始めました

おじいちゃんが帰るとマンガを読み始めた長男。

いつもは寝そべりながら読む姿勢を注意されています。

お母さん
「マンガ読む姿勢は悪いけど、毎日よくそんなに集中して読めるね」

姿勢が悪いことは叱らずに、集中力があることだけをほめました

これで部分ほめも完了。

午後8時。ここから45分は長男のゲームタイム。

これまでは藤井家最大のガミガミタイムでした。

この日、これまでに41回褒められた長男ですが、約束の45分が過ぎてもゲームをやめません。

見るに見かねたスタッフが、約束の時間を伝えに行きます。

スタッフ
「(長男)くん、時間何分?」

長男
「47…」

お母さん
「だよねー」

さすがに1日ほめただけでは変わりませんでしたが、お父さんとお母さんにはある変化があったようです。

お父さん
「晩ごはんのときも楽しかった。叱っていたら”楽しい”はなかった」

お母さん
「晩ごはんの用意も片づけも余裕を持ってできた。これが終わったら(長女)とこれをしようとか、お兄ちゃんのいいところを1個見つけようとか思ったら、気持ちに余裕があった気がする。前みたいにネチネチ言わないように気をつけます」

この取材のあとも、藤井家ではほめる作戦を続けたそうです。

時間でほめる作戦では、子どものいいところを見つけようとしてお母さんは子どもをよく見るようになり、楽しくなったということです。

そして、長男のゲームも2回に1回はきちんとやめるようになったそうです。

叱らない極意2

4.物で褒める

例えば子どもが学校で絵を描いて持ち帰った場合、まずは絵を褒める。下手でも部分を褒める。
そのあと額に入れて貼ってあげたり、工作なら台座を作って飾ってあげると子どもはうれしい。

賞状やトロフィーはしっかり飾ってあげることで、見るたびに反すうして「自分はがんばった」とやる気が出てくる。

子どもがお風呂洗いを一生懸命しているときの写真やピアノを練習しているときの写真など、努力や輝いている瞬間の写真を撮って飾ることで、見るたびに思い出して自己肯定感が高まる

家族全員の写真や兄弟の写真などを貼っておくと、「ぼくは家族みんなに愛されている」「自分には良い家族がいる「兄弟仲がいいんだ」という気持ちが芽生えてくる。何度も見ることが大事。

5.書き言葉で褒める

言葉ではなかなか褒めれないという人が多い。さらに思春期になると言いにくい。
ちょっとした手紙や付せん、メールやLINEでもいいので「いつも部活をがんばってるね、大変だね」「この前~してくれてありがとう」など、面と向かって言えないことも書き言葉なら伝えられる
もらったほうもうれしくて、繰り返し見ることができる。

褒めて調子に乗ると良くないと押さえがちだが、調子の波に乗せてさらにさらに上げていくことが大事。そのほうが良い循環になってどんどん伸びていく。

叱らない極意3

それでも感情的に叱ってしまうというかたには、さらなる極意があります。

6.見える化で叱りをなくす

子どもはやらなくてはいけないことは漠然とはわかっているが、はっきりわかっていない。
だから、次に何をやるのかを目に見えるかたちで示してあげる。

見える化した鈴木家

以前は小3と小1の娘を叱ってばかりいたというお母さん。

3年前に見える化をはじめたところ、子どもたちを叱らなくて済むようになったそうです。

例えば漢字の練習。以前はいくら言ってもやりませんでした。

そこで考えた工夫が、「おしたくボード」

ホワイトボードにマグネットのカードが貼ってあり、マグネットのカードには歯磨きなどの生活習慣や宿題などの日課が書かれています。

やるべき項目が終われば自分でめくるというシンプルなものです。裏返すと「OK☆」の文字が書かれています。

お母さん
「『ママがいつも怒っちゃうと嫌だよね?それならこのボードでやることがひと目でわかるとやりやすいよね』と話した。裏に”よくできたね”などと自分たちで書くと愛着もわくし、やる気も出る」

おしたくボードでやることが見えるようにしてあげることで、叱る回数が減りました。すべて終わったら一緒に喜んであげます。

お母さん
「まず私が怒らなくなった。いちいち言わなくても何をやったらいいか、何が終わっていないのか、目で見えると小さい子どもはやりやすいと思う」

見える化のアイデア1:段ボール

学校から帰ってきても全然宿題をしない子どもには?

ランドセルが2つ入るくらいの広くて浅い段ボール箱を用意する。

子どもが帰ってきたら、遊びに行く前にランドセルの中身を全部箱に出させる。

遊びから帰ってきて箱を見ると「あ、宿題があるな、やらなきゃ」と気持ちが高まる。そして手に取りやすい。

ランドセルの中に全部入ったままだと、宿題があることはわかるが、どういうものがどれくらい入っているのかわからない。

時間が経つにつれてその不安感が大きくなって、ますます手に取りにくくなる。

ある家庭ではこれを始めただけで、ガミガミ言う回数が半分以下になった。

さらに一歩進むとしたら、箱の中から宿題に必要なものをテーブルに出しておく。あるいは並べておく。

また、とりあえず1問やる。

「算数プリントを1問やったら遊ぼう」「書き取りを1字だけ書いたら遊ぼう」

そのときに全体が目に入って「だいたいこれくらいだな」とわかって見通しがつく。

見える化のアイデア2:模擬時計

日ごろからダラダラして決められた時間までにやらなければいけないことができない子どもには?

子どもは時間の観念が非常に希薄。生きてきた経験が少ないため「あとでやる」という時間があると本当に思っている。

そこでオススメなのが「模擬時計」

アナログの時計を用意し、その時計の左右どちらかに画用紙で書いた時計の絵を貼っておく

それに宿題開始の時刻、歯磨き開始の時刻、寝る時刻などを書いておく。

「あと10分で勉強か、イヤだな」と思いつつも、気持ちが準備してくれて、時間になると「やらなきゃな」と気持ちが高まる。

朝ぐずぐずしている子は、着替え終了時刻とか登校時刻を貼っておく。

「あと7分だよ!わかってるの!?」と言ってもわかっていないことが多い。時計を見ると「急がないと」と思える。

視聴者からの質問

兄を褒めると妹がやきもちを焼いて「私は?私のことは褒めてくれないの?」と毎回言います。一緒にいることが多いので、どうしたらいいですか?

親野さん
順番を変えて先に妹さんを褒めてあげる。順番はけっこう大事で、お兄ちゃんが褒められてからだと”付け足し”で褒められたと感じる。
まず自分を褒めてもらえると満足するので、そのあとならお兄ちゃんが褒められても素直に聞ける」

他人に自分の子どもが褒められたとき、どうリアクションをとるべきか迷います。本人の前で謙遜してしまうのも行けない気がするのですがどうしたらいいですか?

親野さん
「しっかり褒めてもらえたのに『でも家ではだらけて~ができなくて』と言ってしまうと、子どもは『お母さんは僕のことそう思っているのか』と思ってしまう。
『ありがとう』とまずは感謝して『そうだね、がんばってるよ』と褒めてあげれば子どもはうれしいし、褒めたほうも顔が立つ。せっかく褒めたのに『いやいや』と言われると褒めて損した気分になる」

感情的に叱ってしまったら、そのあとはどうすればいいですか?

親野さん
「叱ったあとに『あなたのために言ってるのよ』などと上塗りしてしまうのは良くない。
子どもは『必要以上に叱ってるな』と見抜いている。なので、素直に謝ったほうが良い。
『ごめんね、叱りすぎちゃったね』『イライラしてたからごめんね』と言うと、子どもは安心する」

最近は命に危険が及ぶようなとき以外は叱らない子育てをすべきだと聞きますが、本当にその子のためにいいのでしょうか?

親野さん
「これはよくある質問。
例えば病院でバタバタと走っているときに『叱らないしつけをしていますから叱りません』というのは間違い。まず止める。
そのあとが大事。
ガミガミ言うのではなく、座って子どもに目線を合わせて語りかける
子どもがわかるように言ってあげる。言い聞かせる、諭すということ」

ちゃママ感想

最後に親野さんは、叱る前にまず深呼吸をしましょうと話していました。

上手に褒めて子どもの自己肯定感を高める。

子どもが叱られてばかりの家の中は、誰一人楽しくありません。

子どもが立って歩けるようになるまでは、何かができるようになるたびに笑顔で褒めていたはず。

いま目の前にいる子どもも、目には見えづらくなっているけれども成長しています。

必ずほめられるところはあるはずなんですよね。

藤井家のお母さんのように、息子のことをよく見ていきたいと改めて思いました(^-^)

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