こんにちは、ちゃママです。
2018年10月10日放送のあさイチを見ました。
テーマは「“がん”になった時のお金の話」でした。
いまや2人に1人がかかると言われる”がん”。(←これについては余談を読んでください!)
1年間にかかるがん治療費の自己負担は、平均92万円なのだそうです。
さらに治療費以外にもさまざまお金がかかります。
「わたしは保険に入っているから大丈夫」だと思っていませんか?
がん保険に入っていたけれど、給付を受けられなかったという相談が増えています。
そして病院ではがんの治療費が払えない人が続出しているといいます。
番組では、がんになったときにかかる費用や保険の話など知っておくべきお金のことが紹介されました。
目次
がんにかかるリスク
三大疾病の現役世代(35~64歳)の患者数は、
がん…8.5万人
心疾患…3万人
脳血管疾患…3.5万人
です。(厚生労働省より)
がん患者にかかる出費
今年8月乳がんと診断された志村さん(仮名・46)の場合。
手術前
乳がんが見つかってから1ヵ月のあいだに、乳がんと断定するための検査や転移を調べる検査などをしました。(検査5回で10万円)
抗がん剤を使ってできるだけがんを小さくし、手術のときに取り出しやすくしました。(抗がん剤2万円を3週間おきに8回投与)
がん保険に入っていたためがんと診断された時点で支払われる60万円が給付されましたが、手術前だけで26万円が消えました。
収入に応じて医療費を補助される高額療養費制度を頼りにしていました。
志村さんの場合、10万円支払ったので2万円が戻ってくると思っていました。
ところが、7月に2万円、8月に8万円だったため補助を受けられませんでした。(補助は1ヵ月で8万円を超えた場合のみ適用される)
さらに、抗がん剤治療の副作用のためパートを1週間休むことに。
収入が減ったため、息子さん(大学生)の後期の授業料は奨学金を借りてもらうことにしました。
一度抗がん剤を投与されると、その後一週間ほど副作用(吐き気・倦怠感など)があるといいます。
志村さんは脱毛をカバーするため、事前にカツラを注文していました。(18万円)
脱毛の影響はおよそ2年間続くといいます。
さらに、免疫力が低下するため1日中マスクをつけなければいけません。(1日2枚使用65枚入り300円)
まゆ毛が抜けてしまうために用意した眉スタンプ。(1500円)
1つ1つの金額は少なくても、次々と積み重なっていきます。
治療を始めて1ヵ月。
給付金60万円は、検査や治療費、かつらなどの出費、交通費、食費、パートでの収入源を補填するなどして、手術や入院をする前にほとんど使い果たすことになりました。
医療費のしくみを確認
医療費が100万円かかった場合、健康保険で70万円はカバーされるので、自己負担は30万円になります。
30万円をさらに減らしてくれる制度が高額療養費制度です。
- 申請が必要⇒保険証の保険者(健康保険組合、協会けんぽなど)に申請しなければもらえません。自分以外の家族でも、HPからDLするなどして申請することができます。(病院で説明を受けることもある)
- お金の受け取りまで3ヵ月⇒治療費が高額になると立て替えが大変です。そこで、限度額適用認定証を保険者に事前に申請しておくと立て替え払いが不要になります。
- 月をまたぐ入院と外来の合算はできない⇒病院で治療計画を聞き、入院する場合は月初めから、月末までに退院できるか相談するのがいいそうです。(もちろん対応できない場合や、体を優先にすべき場合もあります)
手術後
がんにかかるお金は3つあるといいます。
- 病院に支払う医療費
- 病院に支払う差額ベッド代などその他のお金
- かつら代など病院以外に支払うお金(医療用ストッキング、健康食品やサプリメント、靴の買い替え、家族の食費、交通費や宿泊費など)
がんの治療にどんな種類があってどれくらいお金がかかるのか、がんにかかっていない人でも、その病院に行っていない人でも相談にのってくれるそうです。
詳しくは、国立がん研究センターのHPへ
https://ganjoho.jp/public/index.html
知っておくべき大切なこと
がんと診断されたあとに、およそ34%の人が仕事を辞めていました。
いまはがんの治療はほとんど入院しないでできるようになっています。
(入院日数:平成8年は平均46日、平成26年は平均20日)
かつては入院して行っていた抗がん剤治療も外来での治療が一般的になるなど、普通の生活を送りながら治していく病気に変わってきました。
仕事をしていたほうが気がまぎれることもあるので、金銭的な面も考えながら治療選択を決めていくことが大切です。
ちなみに、女性が罹患しやすいがんの5年生存率はこちら↓
1位 乳がん 93.6%
2位 大腸がん 76.3%
3位 胃がん 74.5%
医療保険の落とし穴
4年前に乳がんになり入院生活をした佐藤さん(仮名・59)。
29歳のときに母親の勧めで医療保険に加入しました。
検査と診察で10万円、その後の手術と9日間の入院で25万円、合計35万円支払いました。
その費用を医療保険でまかなおうとしましたが、佐藤さんが入っていた医療保険はがんの診断だけでは給付を受けられないものでした。
さらに、がんで10日以上入院した場合のみ1日1万円の給付が受けられるものでした。
9日間の入院では1日も受け取ることができなかったのです。
抗がん剤や放射線、ホルモン剤による治療は、いまではほとんどが通院治療です。
ホルモン剤は数年間にわたって服用することが多く、1年間で約30万円にのぼります。
しかし、一般的な医療保険の契約では通院での治療は対象外のことが多いのです。
がん保険 | 医療保険 | |
保険対象 | がんに特化 | 病気全般とケガ |
診断給付 | ある | なし(特約付加なしの場合) |
入院給付 | 無制限 | 60日・120日など限度あり |
通院給付 | ある場合が多い | 入院を伴なう通院が原則 |
がん保険の落とし穴
ほとんどのがん保険には免責期間があり、加入してから3ヵ月(90日間)たたないと保険料がおりません。
また、上皮内がん、非浸潤がんなどの対象にならないがんの場合、保険料がおりないことがあります。
失敗しない保険の入り方
ファイナンシャルプランナー・黒田尚子さんによると、
<入るタイミング>
男性の場合、40代を過ぎるとがんになる人が急速に増え始めます。女性の場合、30代からがんになる人が増えてきます。
がん保険の保険料は、がんの罹患率が高くなるとともに上昇していきます。
もしがん保険に入る場合には、罹患率が高くなる前に加入することがオススメだそうです。
<入っているから安心は早い>
たとえば、新しく開発された最新医療の重粒子線治療は、肺がんや肝臓がん、すい臓がんなど幅広いがんに適用できる治療法です。
その費用は多くの場合、350万円を超えます。
こうした最新医療は、特約に入っていないと全額自己負担になります。
<見直しは毎年>
がん保険に入っていても給付金が受けられなかったという相談が多いそうです。
保険会社に今の医療について説明を聞いて、自分の今の保険を確認しておくことが必要です。
質問や視聴者からのFAXなど
◆30~40代のがんは、教育費、家のローン、親の介護などと重なりやすい時期。どう備えたらいい?
黒田さん
「保険ありきではなく、貯金で備えることも大切。保険を選ぶときは医療に備えたいのか、収入減少に備えたいのか、リスクを考えて保障内容を考える。
商品がたくさんあって自分で選ぶのが難しいという場合は、ファイナンシャルプランナーの無料相談会などを利用するといい」
◆パートで働いているが、職場に伝えられない。どうしたらいい?
聖路加国際病院医師・山内英子さん
「そういう方は非常に多い。副作用などで職場で配慮してもらいたいことが出てくると思う。必要な場合には自分の心と体のためにもタイミングを見てきちんと伝えるのがいい。
たとえば足がむくむ場合、1時間に1度足を上げたいなど、本人でなければわからないので具体的に伝える」
◆45歳で無職のシングルマザー。保険に何も入っていない。高額療養費制度でがんの治療は対応できる?
黒田さん
「ひとり親の医療費助成制度が使えると思う。自治体に相談するのがいい。貯金を貯めることも大切。保障の内容にもよるが、すごい安い保険ならば1000円台のものもある。共済など安い保険はある」
◆33歳女性。休職してがん闘病中。卵巣がんから骨に転移している。セカンドオピニオンを受けたが、健康保険がきかず30分で2万円ほどの費用がかかった。
山内さん
「セカンドオピニオンは保険外診療にあたる。保険商品のなかには、セカンドオピニオンの代金をまかなえる特約がついているものもある」
◆40代女性。
息子が15歳のときにリンパ腫というがんにかかった。東京都から小児への支援制度があり、医療費はかからなかった。でも親の付き添いが必要なため仕事ができなかった。毎日の交通費や食費、下の子を預けるなど見えないお金がたくさん出ていった。
◆40代女性。
知人ががん治療のために休みがちになることを上司に相談した結果、辞めさせられた。昔の感覚からすると「がん=働けない」という思い込みがあるので、理解が大事だと思う。
◆50代女性。
7月にがん手術をして療養中。楽しく過ごそうと思っても不安。生稲さんはどのように過ごしてる?
スタジオゲスト生稲晃子さん
「なるようにしかならないと思うようにした。笑っていようと。がん細胞を取ってもらうのは先生にお願いするしかないので、自分ができることは笑っておだやかに過ごすことが一番の治療薬だと思っている」
ちゃママ感想
「わたしはがんにならない気がする」ではなく「わたしもがんになる可能性がある」んですよね。
自分が入っている保険の内容をよく知らず、その”よくわからないもの”にお金を払っている状態は一番やってはいけません!
自分や家族の保険を見直して備えましょう。
ただし、保険貧乏になってしまわないように気をつけましょう。
日本人は保険の入りすぎだといいますし、貯蓄は大切です。
以前も保険の見直しやオススメ保険のレポを書きましたので、ぜひ参考にしてください。
プロ直伝!「ピッタリ保険」を見極めろ|助けて!きわめびと 2018年4月生命表改訂!保険の見直しポイントとオススメ3選余談)”2人に1人がかかる”の実際
現在50歳の男性が生涯がんになる確率は、2分の1です。
でもその内訳を見てみると、70歳までにがんになる確率は約20%。
80歳までにがんになる確率は約41%。
実際に2人に1人ががんになるのは、80歳を超えてからなのです。
「2人に1人ががんになる」と言われると、あたかも今すぐにでもがんになるような印象を持ってしまいますよね。
高額療養費制度を使えば、費用はかかっても100万円程度。
貯金で備えておけるのならば、病気にならなかった場合、別なことにお金が使えます。
ちなみに、生命保険が儲かるのは死差益があるからです。
100人中5人が死ぬ前提で保険料を決めていたとしても、実際に死んだのが3人ならば2人分の保険金が浮きます。
そして先にお金を集めることで、そのお金を運用しています。
長期国債、外国証券などの有価証券、企業などへの貸付金、土地などの有形固定資産で運用収益をあげています。
営業トークで勧められるままの保険に入るのではなく、自分で正しい知識をつけ、適切な保険に入ることが大切ですね。
何よりも、病気にならないように家族全員健康的な生活習慣を送りましょう☆
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